やっと確定申告が終わったので、以前、ネットで話題になっていた問題について、備忘録を兼ねてコメントしておこう。
国民民主党の玉木氏の下記の発言が注目を集めていた。
この玉木氏の発言を受けてだろうか、2月16日、衆議院議員(自民党)の河野太郎氏が、Xで次のように述べている(下線:久保)。
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日本に滞在三か月以上の中長期在留外国人は、健保や協会けんぽに加入していなければ、国民健康保険に加入します。
国民健康保険に加入している外国人は、92万人、被保険者の3.6%ですが、外国人の医療費は合計で1250億円と全体の1.4%弱、国民健康保険に加入している日本人の平均年齢に比べて国民健康保険に加入している外国人の平均年齢が低いこと等を考えると、国民健康保険の財政にプラスかもしれません。
今後、在留カードとマイナンバーカードの一体化と在留外国人にマイナンバーカード保険証を義務づけることで、外国人のなりすましによる保険の悪用を防ぐことかできます。
また、病気であることがわかった上で来日し、中長期滞在しながら国民保険に加入して治療を受けることを防ぐことが必要です。 短期滞在の外国人は国民健康保険等には加入できないので、保険財政には影響はありませんが、未収になった医療機関に影響が出ます。
そのため、短期滞在で入国する外国人には民間の医療保険への加入を義務づけが検討されています。
しかし、「外国人による健康保険の利用をやめれば我が国の医療費問題は解決する」というわけではありません。
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2月16日、参議院議員(共産党)の山添拓氏も、Xで次のように述べている(下線:久保)。
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3ヶ月を超えて日本に滞在する外国人は、社会保険ないし国民健康保険への加入が義務付けられ、病院にかかる必要があろうがなかろうが保険料を支払う。それは結果的に医療制度を支えている。 「現役世代」を「外国人の医療費」が圧迫しているわけではない。乏しい社会保障政策こそが問われている。
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奇しくも同じ日に、政党を異にするご両人が外国人の健康保険利用を擁護する発言をしている。どこからの指令に基づくのだろうか?
外国人の健康保険利用が医療費を圧迫しているかどうかという問題以前に、そもそも難民以外の外国人に日本国民のための健康保険を利用させること自体が間違っているのだ。この三人は、問題の所在が分かっていない。
まず、憲法第25条第1項は、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と定めている。
この「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は、生存権と呼ばれ、日本「国民」に保障されている権利であって、我が国に在留する外国人に保障されている権利ではない。外国人の生存権は、その母国が保障すべきだからだ。
それ故、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などの、いわゆる被用者保険には従来から国籍要件がないのだ。
しかし、昭和56年(1981年)10月15日発効の「難民の地位に関する条約(1951年)」第23条に「締約国は、合法的にその領域内に滞在する難民に対し、公的扶助及び公的援助に関し、自国民に与える待遇と同一の待遇を与える。」と定められている。
母国を逃れた難民には、母国による社会保障が期待できないからだ。
そこで、昭和56年に、国民健康保険法施行規則(昭和三十三年厚生省令第五十三号)第1条が改正され、難民についても、国民健康保険の適用対象となった。
我が国が難民条約を批准した以上、これは締約国としての義務だから、当然だ。
問題なのは、その際に発せられた厚生省保険局長通知なのだ。これが諸悪の根源だ。
来日する外国人が増えたから、難民以外の外国人にも国民健康保険の適用を認め、積極的に促進を図れとドサクサ紛れに述べているのだ。
来日する外国人が増えたからといって、なぜ母国ではなく、日本が社会保障しなければならないのか。論理が飛躍しすぎて、意味不明だ。
日本人が外国で民間の医療保険等に加入するように、難民以外の外国人も、民間の医療保険等に加入すれば足りる話なのだ。
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国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令の施行について
(昭和五六年一一月二五日)
(保発第八五号)
(各都道府県知事あて厚生省保険局長通知)
国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令が、昭和五六年一〇月二五日厚生省令第六六号をもつて別紙のとおり公布されたので、左記の点に留意の上、貴管下市町村の指導に遺憾のないよう配慮されたい。
記
1 国民健康保険法施行規則の一部を改正する省令について
(1) 改正の趣旨
第九四通常国会において、難民の地位に関する条約及び難民の地位に関する議定書への加入が承認されたことに伴い、難民について社会保障に関する内国民待遇を行う必要が生じたことから、難民を国民健康保険の適用対象とすることとしたものであること。
(2) 改正の内容
日本の国籍を有しない者であつて、国民健康保険の被保険者となるものとして、「難民の地位に関する条約第一条の規定又は難民の地位に関する議定書第一条の規定により同条約の適用を受ける難民」を加えること。
(3) 改正規定の施行期日
難民の地位に関する条約又は難民の地位に関する議定書が日本国について効力を生ずる日(現在、昭和五七年一月一日が予定されている。)であること。
2 外国人に対する国民健康保険の適用促進について
国際社会における日本の地位の向上、国際交流の活発化等に伴い、来日する外国人の数は飛躍的に増大してきていることから、地域の実情に即しつつ、難民以外の外国人についても、その国民健康保険の適用方につき、積極的に促進を図られたいこと。
別紙 略
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難民以外の外国人に国民健康保険の適用を認めるという重大な国策の変更を一局長の判断でできるわけがない。
昭和56年当時の総理大臣は、自民党の鈴木善幸氏だ。鈴木善幸氏は、戦前からの筋金入りの共産主義者で、日本社会党→社会革新党→民主自由党→自由党→自由民主党へと政党を渡り歩いた。自民党の大平正芳総理の急死によって、棚からぼた餅で、総理になり、国益に反することばかりした国賊だ。
例えば、いわゆる教科書問題が発生した際に、中国・韓国の馬鹿げた言いがかりを一笑に付せばよいものを、教科書用図書検定基準に「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」という近隣諸国条項を設け、より深刻な事態を招き、将来に禍根を残した。
話を戻すと、難民以外の外国人に国民健康保険の適用を認める理論的根拠を与えたのは、左翼の憲法学者芦部信喜氏だ。
「外国人についても、社会権の保障が原理的に排除されていると解するのは、妥当とはいえない」とし、「限られた財政状態の下での社会保障等、積極的な国の配慮義務は、まず『国民』に対するものであり、合理的な理由があれば、『国民』にそれを享受する優先権を認めることも許されると思われるが、生存の基本にかかわるような領域で一定の要件を有する外国人に憲法の保障を及ぼす立法がそもそも社会権の性質に矛盾するわけではない」として、立法政策によって社会権の保障を外国人にも及ぼすことが権利の性質に反するどころか、むしろ望ましい方向としている(芦部信喜編『憲法Ⅱ』有斐閣・昭和53年、12頁[芦部執筆])。
これは、憲法解釈ではなく、立法論・政策論だ。社会権は、国家の積極的な作為を請求する権利(政治的宣言なのか権利なのか、具体的な請求権かどうかについては、学説上争いがある。)であって、当該国家に所属することを前提とするthe inalienable right国民固有の権利だから、その権利の性質上、難民以外の外国人に保障してはならないからだ。
そして、平成4年(1992年)、宮澤喜一内閣で、外国人に対する国民健康保険の適用基準がさらに明確化された。
河野太郎氏の父・河野洋平氏は、宮澤内閣の官房長官であり、平成5年8月4日に悪名高き「慰安婦関係調査結果発表に関する 河野内閣官房長官談話」を発表した。
この談話により、ただの売春婦にすぎず、「従軍慰安婦」なんて制度上なかったのに、あったことにされた。しかも、まるで日本が奴隷狩りのように若い女性を強制的に「従軍慰安婦」にしたかの如き誤解を世界中に広め、謝罪までしているのだ。宮澤喜一と河野洋平は、万死に値する国賊だ。
鈴木善幸、宮澤喜一、河野洋平のうち、河野洋平は存命だが、前二者は亡くなっている。死者の国籍を剥奪しても、「ただし、これにより子孫の国籍及び相続に変更はない。」という一文を入れれば支障はないから、国籍法を改正して、国賊の国籍を剥奪すべきだ。
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