2021.01.30 13:01日本国旗損壊等の罪 外国に対して侮辱する目的で、外国の国旗を破いたり、燃やしたり、踏みつけたりすると、その外国の国旗が他人所有か自己所有かにかかわらず、外国国章損壊罪(刑法第92条)に問われることになる。 ところが、日本の国旗について同様の行為をした場合、その国旗が他人所有のときには、日本国に対して侮辱する目的かどうかにかかわらず、器物損壊罪(刑法第261条)に問われるのに対して、それが自己所有のときには、そもそも処罰規定がないので、罪に問われることはない。 そこで、平成24年(2012年)5月19日に提出し、衆議院解散に伴い審議されずに廃案になった日本国旗損壊等の罪を新設する刑法の一部改正法案を、自民党の高市早苗衆議院議員が中心になって再提出するらしい。 高市議員の主...
2021.01.12 06:37法服 <追記> 昨日は、成人の日。みなさんは、成人式に出席なさったのだろうか。私は、くだらない政治屋たちの話を聞きたくなかったので、成人式を欠席し、自宅で民事訴訟法の教科書を読んでいた記憶がある。 学生時代に民事訴訟法を教えて下さった先生は、7か国語に堪能で、戦後、20代前半で最高裁調査官を拝命した秀才。将来の最高裁判事を嘱望されていたのに、研究者へ転向された元高裁判事だった。 民訴(みんそ。民事訴訟法を略して、民訴という。)は、無味乾燥で眠くなるので、昔から「眠素(みんそ)」と呼ばれていたからだろうか、時々、講義の合間に雑談を入れておられた。 ある日、先生が「裁判官が法服を着るのはなぜか?」と問われた。先生に当てられた私は、「裁判官の個性を消すためではないでしょう...