2024.10.25 12:53形式ではなく実質が大事 学生時代にある弁護士さんから聞いた話だが、交通事故の加害者から依頼を受けた場合に、すぐに書類を作成して、お見舞いの品を持って病院へ向かい、平身低頭でお見舞いの口上を述べるそうだ。 被害者が打ち解けて和やかな雰囲気になった頃を見計らって、持参した書類を手渡し、お見舞いに来た証しにサインしてくださいませんか、と口八丁手八丁(くちはっちょうてはっちょう)でお願いするそうだ。 その際、持参した書類のタイトルが「和解契約」や「示談書」というような法的なものを匂わせるものだと、被害者が警戒して、サインをしてくれないので、実際の中身は和解契約(民法第695条)だけど、「お見舞い」というタイトルにして、和解条項を小さい文字で書いたものにサインを求めると、あまり中身を...
2024.10.06 21:25市長の辞職をめぐる法律問題 名古屋市長の河村たかし氏が、衆議院選挙に立候補するために、市長を辞職するそうだ。 河村氏は、主義信条がないのか、民社党→自由民主党→日本新党→新進党→自由党→無所属→民主党→無所属→減税日本→日本保守党と節操もなく政党を渡り歩き、衆議院議員を五期務め、「名古屋の人に恩返ししたい」と名古屋市長を四期務めて、また衆議院選挙に立候補するらしい。何がしたいのか、さっぱり分からんおっさんだ。 以前このブログで触れた名古屋市教育委員会事務局職員が教員団体から金品を受け取っていた問題が解決していないのに、これを放り出すというのは、如何なものかと思う。
2024.10.06 01:38新聞社への長期無利子貸付 下記の記事によると、沖縄県が「琉球新報社に対し、印刷機更新の費用として8億5300万円を長期無利子貸し付けする予算案を上程した」ことについて、県議会議員の島袋氏(自民党)は、「沖縄タイムス社と琉球新報社が印刷機の共同購入を目指しながら断念した経緯などに触れ「自分たちで買うのが大変だから、税金で買ってくれと言っている。(他の地方公共団体で)ふるさと融資を新聞社のために使っているところはない」と指摘」したそうだ。
2024.10.01 21:55シロアリ 5月、長崎県大村市は、男性同性カップルの希望を受け、1人を「世帯主」とし、もう1人を「夫(未届)」と記載して住民票を交付した。 これに対して、9月27日、総務省は、「夫(未届)」「妻(未届)」という続柄は「内縁の夫婦(事実婚)が《法律上の夫婦》と社会保障の面で同じ扱いを受けているので記載している」とし、社会保障の面で同じ扱いを受けていない同性カップルと内縁の夫婦の「続柄の記載」を同じにすると「実務上の支障をきたすおそれがある」、「(住民票は)できる限り統一的に記録が行われるべきもの」という1999年の最高裁判決を引用して、大村市の住民票の記載は「最高裁判決と異なる認識を前提にしている」として「改めてご判断いただきたい」との考えを伝えた。 この総務省の...
2024.09.27 03:50法律に息づく孔子の教え 日本の法律に孔子の教えが息づいていると言ったら、驚かれるかもしれない。『論語』子路篇第十三に大変有名な章句がある。ここに示された孔子の教えが様々な法律に反映しているのだ。【原文】葉公語孔子曰、吾黨有直躬者、其父攘羊、而子證之。孔子曰、吾黨之直者異於是、父爲子隱、子爲父隱、直在其中矣。【読み下し文】葉公(しょうこう)孔子(こうし)に語(つ)げて曰(いわ)く、吾(わ)が黨(とう)に躬(み)を直(なお)くする者(もの)有(あ)り、其(そ)の父(ちち)羊(ひつじ)を攘(ぬす)み、而(しこう)して子(こ)之(これ)を證(しょう)す。孔子(こうし)曰(いわ)く、吾(わ)が黨(とう)の直(なお)き者(もの)は是(これ)に異(こと)なり、父(ちち)は子(こ)の爲(た...
2024.09.21 11:05お知らせ 私とは無関係ですが、滋賀大学公共経営イブニングスクール「地方自治の「これまで」と「これから」」受講生募集中です(締切10月15日(火))。 詳しくは、下記のリンク先をご覧ください。
2024.09.20 23:59不信任議決 <追記1,2,3> 以前は、地方自治法研修で、不信任議決の例として、田中康夫長野県知事のケースを挙げていたのだが、2002年の事例なので、今のお若い職員さんの記憶に残っていないため、最近では具体例を述べることができず、困っていた。 ご存知のように9月19日、兵庫県で不信任議決がなされたので、今後はこの例を挙げることができる。
2024.09.14 11:09防災トイレトラックの随契 和歌山県みなべ町では、予定価格700万円以上の動産の買入れについては、町議会の議決が必要だ(議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条)。 下記の記事によると、一般社団法人「助けあいジャパンは国内の22自治体と、トイレトラックを被災地に派遣するネットワークをつくっており、代替性がなく、その特殊性から、随意契約の要件「性質や目的が競争入札に適さない場合」に該当する」として、「随意契約で2649万5700円で購入するという物品売買契約の締結案」を町議会に提出したところ、「起立採決では賛成6人、反対6人で同数となり、議長裁決で可決した」そうだ。
2024.09.11 20:40悩ましい「法定受託事務」 下記の記事によると、「原爆が炸裂した後《放射性微粒子》を含む「黒い雨」が降ったと認定された被爆地域外の旧3村。そこにいた原告15人を被爆者と認めた被爆体験者訴訟の判決を受け、長崎市長と県知事は11日厚労省を訪れ、15人について控訴断念を求める「地元の声」を伝えました。一方大石知事は「『法定受託事務』を担う立場を踏まえると、県としての考えを申し上げるのは慎重になるべきだ」などと発言し、控訴するかどうかは国の意向を踏まえて協議・判断する考えを示して」いるそうだ。
2024.08.20 06:37月額なのに条例を改正せずに日額徴収 今日は、原稿の締切日。なんとか間に合った。そこで、ニュースチェックをしたら、面白い(?)記事があった。 千葉県が、条例上は港湾施設の使用料が月額なのに、条例を改正せずに20年前から日割り計算で使用料を徴収していたそうだ。 下記の記事には、「実態としては週末だけなどといった短期間の利用が多く、県は使用期間が1か月未満の場合、日割り計算をした日額で徴収する方針を決め、2003年、土木部長発の運用通知を出して、条例改正に先んじて日額で徴収してきました。」とある。 この土木部長が利用実態を踏まえて日額にすべきだという行政課題を発見したのはよいのだが、条例を改正せずに日額徴収することが地方自治法第14条第2項並びに千葉県港湾管理条例第9条及び使用料及び手数料条...
2024.08.03 00:31勇足 <追記> 下記の記事によると、「備前市は、地元出身の山本投手を応援しようと、抽せんで選んだ市内の中高校生200人を招待し、8月に2回に分けてドジャースの本拠地・ロサンゼルスへのツアーを予定しています。 この応援ツアーについては、ふるさと納税の寄付などを財源に中高生1人につき60万円を助成するとして、同行する市職員の分の費用も含め1億2960万円の予算が市議会で可決されました。 今回の請求では、市内の中高生およそ1200人のうち参加できるのが200人と少なく不平等であり、地方自治法が定める地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利に反するなどとして、予算執行の差し止めを求めています。」