今日、歯医者さんで定期的な歯のお掃除をしてもらった。待合室に置かれた新聞に三菱重工爆破事件から50年という記事が載っていたので、歯医者さんに言ったら、「もう50年ですか。私が小学5年生のときですね。夏休み最後の日に事件が起きてびっくりしました。」とおっしゃるので、夏休みの宿題の話になった。
予想通り、歯医者さんは真面目なので、夏休みの初めに全部宿題を終わらせるタイプだった。私は、宿題をやらないで、叱られるタイプ♪笑
漢字も書けるし、計算もできるのに、なぜドリルをやらなければならないのか、馬鹿馬鹿しくてやらなかった。図画工作や自由研究は、好きだったので、やった。
小学生の頃、自由研究でやろうかなぁ〜と思ったけど、忍耐力がなくて、途中で投げ出したのが、サイコロの確率だ。
簡単な実験だし、本当に6分の1なのかと確かめようと思ったけど、面倒くさくなったのだ。苦笑
お小遣いを貯めて買った顕微鏡でゾウリムシの生態を観察する方が面白かったというのもある。
今、ネットで調べてみたら、忍耐強く確率を確かめた子供がいて、驚いた!
えらいなぁ〜
国立大学法人 奈良国立大学機構 奈良女子大学附属中等教育学校2年A組 奥野 俊輔くんが2019年度サイエンス研究会の研究論文「サイコロの出る目の確率」を発表していた。
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サイコロの出る目の確率について、一般的な「くぼみのあるサイコロ」と「くぼみのな いサイコロ」を使って確かめることにした。どちらのサイコロも振る回数が少ないときは 確率にばらつきがあったが、回数が多くなるにつれて、それぞれの目の出る確率が一定の 値に近づいていった。また「くぼみのないサイコロ」の方が各目の出る確率の差がとても 小さくなることがわかった。
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「回数が多くなるにつれて、それぞれの目の出る確率が一定の 値に近づいていった」という結論は、実験回数が増えるにつれて確率が真の平均値に近づくという「大数(たいすう)の法則」だ。
奥野くんは、サイエンス研究会の数学班に属していることから、おそらく大数の法則を知っていたのではないかと思うけど、これを実際に確かめたのはエライ!
知識を知識として終わらせるのではなく、実際に検証することにより法則発見者と同じ立場に立ち、知識を自分の身に引き付けることができるからだ。
「くぼみのあるサイコロ」と「くぼみのないサイコロ」を比較するというのも、素晴らしい着眼点だ。
くぼみがあると、その分軽くなり、サイコロの重心がずれてしまって確率に違いが生じるのではないかという仮説を立てて検証しているからだ。
この点については、下記の記事が分かりやすい。
なぜこんな話をしたかというと、自治体職員研修に出講するたびに思うことがあるからだ。
研修を受講しただけで知識をマスターできるならば、誰も苦労しない。研修は、自己研鑽にきっかけにすぎないから、きちんと復習することが大切なのだが、お仕事がお忙しいためか、復習していただけないのだ。
できるだけ職員さんの身に引きつけてご理解いただけるように、「〜と後輩職員さんから訊かれたら、どのように回答しますか?」と問いかけたり、その自治体の例規を盛り込んだりしているのだが、どんなに工夫しようとも、受講者が自ら復習しなければ知識が身に付かないのだ。
また、疑問を抱かないのも困りもので、「法令」ってなに?、「権利」ってなに?、「職務権限」ってなに?というような素朴な疑問を抱かずに、職務遂行をなさっている職員さんが意外に多いのだ。
法令に基づかずに職務遂行をすると、場合によっては、人権侵害になったり、懲戒処分を受けたり、刑罰を科されたり、損害賠償を請求されたりするわけで、住民の人権を守るためだけでなく、自分自身の身を守るためにも、法令を遵守しなければならないのだが、そのためには、自分の職務の法的根拠はなにか?というような素朴な疑問を抱き、確かめることが必要不可欠なのだ。
漢字の書き取りドリルや計算ドリルで復習せず、サイコロの目の確率が本当に6分の1なのかという素朴な疑問を抱いても確かめもしなかった私が言っても説得力がないので、中2の奥野くんに代わって語ってもらったわけだ。
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