2008年のデンマーク映画『誰がため』を観た。実話に基づくらしい。
ナチス・ドイツに占領されたデンマークのコペンハーゲンでレジスタンス活動をする地下抵抗組織に属する二人の男性が、組織の後ろ盾であるイギリスの命令により、ゲシュタポやナチス・ドイツに協力するデンマーク人を次々に暗殺しているうちに、誰がために自分は戦っているのかと懊悩するお話だ。
実に辛気臭くて、退屈な映画だった。
この映画の中で、暗殺の標的である相手が言ったセリフが印象的だったので、書いておく。
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戦争に参加する理由は、3つ。
まず、出世のためだが、兵士としては失格だ。平和を望み、死を恐れるからだ。
次に、祖国に対する愛国心だ。夢中にはなれるが、夢見る者は、挫折する。強さも忍耐強さもない。若さとは、軽率で生意気なものだ。だが、情熱をもって心底没頭すれば、優秀な兵士になれる。
三つ目は、敵に対する憎悪だ。相手を憎めば、不可能なことも可能に思えるのだ。繊細な人間以外はな。彼ら(繊細な人間)には、知性と猜疑心があるからだ。もし裏切られたら憎悪は消え、猜疑心が残る。戦争向きではない。
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①情熱をもって心底没頭する若者、②敵に対する憎悪を抱いた繊細な人間以外の者が、優秀な兵士になれると言うわけだ。
あくまでも兵士だから、将校は別なのだろうが。
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