2019.10.28 13:15国の法令改正に必然的に伴う条例改正と指定専決 国の法令が一部改正されることに伴って必然的に条例を改正しなければならないことがよくある。特に、地方税、国民健康保険等の分野では、頻繁に国の法令が改正される。場合によっては、国の法令の一部改正法の施行日に合わせるために、地方議会の臨時会を招集しなければならないことさえある。 しかし、国の法令改正に合わせて条例の字句等を変更するだけであるから、条例の一部改正案をめぐって地方議会で激しい議論が戦わされるわけではなく、あっさりと可決されるのが通常である。 このような手間と時間と経費をかけることは、無駄であるとまでは言わないが、「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(地方自治法第2条第14項)という地方自治法の趣旨からすれば、必ずしも望まし...
2019.10.23 14:10御料車のシートベルトhttps://www.youtube.com/watch?v=jdy69cLyKII 去る令和元年10月22日(火)、即位の礼正殿の儀が厳かに挙行された。国民として誠に喜ばしい。 臣籍降下以来、皇室を守護奉らんとの想いを代々継承してきたが、御即位宣明の勅語を拝聴して、皇室に対する尊崇の念を新たにするとともに、大御心に添えるよう努力を続けなければならないと強く思った次第である。 テレビを拝見していて、心配になったことがある。天皇皇后両陛下が御料車に御乗車遊ばされている映像(上記スクショ)を拝見する限りでは、シートベルトをなさっておられないようにお見受けしたのであるが、万が一にも交通事故やテロがあった場合に、お怪我をなされるのではないかと大変心配になって...
2019.10.22 22:10手紙の句読点 学生時代に恩師から和紙に毛筆で書かれた候文のお手紙をいただいたことがある。正漢字(旧漢字)・歴史的仮名遣いの草書体で、達筆すぎて読めなかったので、代わりに亡父に読んでもらった。 その後、亡父からこれを読んで勉強するようにと渡された本が、麻生路郎著『現代模範 美的候文』(藤谷崇文舘 大正11年3月1日発行)である。この本は、亡父が戦地に出征する先輩から形見分けとして頂いたものだそうだ。裏表紙には、連隊名及び中隊名並びに先輩のお名前が毛筆で書かれている。麻生路郎氏は、「俺に似よ俺に似るなと子をおもひ」という句で有名な川柳六大家の一人だ。 私が恩師の手紙を読めなかったのは、候文が読めないからではなく、先生の草書体が読めなかったからなのだが。苦笑 しかし、こ...
2019.10.18 13:00湯桶読みと重箱読み1 漢字の読み方 以前にも話したが、平安時代以降、日常生活に定着している漢字やお経などの仏教関連の漢字は呉音で、それ以外は漢音で読むしきたりになった。https://minamoto-kubosensei.amebaownd.com/posts/6270310?categoryIds=2024148 他方で、長い年月を経るうちに、熟語の中には、音読みと訓読みがゴチャゴチャに混在して定着してしまったものが多数ある。これには、①湯桶(ゆトウ)読みと②重箱読みの2種類がある。2 湯桶読み 湯桶読みとは、「湯桶」を「ゆおけ」ではなく「ゆトウ」と言うように、漢字2文字以上でできた熟語で、上の漢字を訓読みし、下の漢字を音読みすることをいう。ex.1湯桶読みが定着し...
2019.10.09 12:25裁判制度5老先生 ローマ帝国時代に話を戻すとじゃな、先ほど、ローマ法をお手本にして、教義と矛盾しないように必要な修正を加えて教会法が形成されたという話をしたが、どのように修正したかを理解するためには、キリスト教会がどのような考えに基づいてどのように行動したかを知る必要があるので、しばらくの間、裁判制度から離れて、この点についておしゃべりするとしよう。1 教会の行動原理 キリスト教の神は、すべてのヒエラルキーの頂点に立ち、恐れに基づいて、ただひとり君臨する唯一絶対の男性神と信じられておった。聖書は、神を怖れよと繰り返し説いておる。例えば、「神を恐れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべて」(伝道の書/コヘレトの言葉・十二・十三)、「誰を恐れるべきか教えよう。それ...
2019.10.06 23:38裁判制度4老先生 ところで、西洋から日本へ移入された民事訴訟では、まず、弁論準備手続や争点整理手続が行われ、次に、弁論・事実認定が行われ、裁判官の自由心証により判決が下されるという二段階の仕組みが採られておるが、このように裁判を効率よく行うための二段階の仕組みは、いつ頃生まれたと思うかの? 生徒 近代になってからでしょうか? 老先生 そう思うじゃろ。笑 実は、2000年ほど前のローマ法で確立されていたんじゃよ♪ 裁判官だけでなく、弁護士という職業もすでにあったんじゃ。 生徒 え〜ッ?! 老先生 そちが「西洋では昔から今のような裁判所があったんですか?」と質問した時に、「西洋」にいつのどの地域まで含めるかにもよるが、少なくともゲルマン社会には、もともと...
2019.10.03 14:21裁判制度3生徒 先日、おっしゃっていた裁判所へのキリスト教の影響について伺いたくて、参りました。老先生 う〜ん。。。わしは信者ではないので、はっきり言ってキリスト教のことがよく分からんのじゃよ。。。トホホ 例えば、モーセがホレブの山(シナイ山)で羊を放牧していた時、神の声を聴いて「神の名」をたずねると、「わたしはあるものである」と答えたんじゃが(旧約聖書の出エジプト記三・一四)、この「あるもの」というヘブライ語が固有名詞「ヤーウェ」(YHWHという4つの子音で書く。5世紀までヘブライ語には母音がなかったからじゃ。わしには発音できん!苦笑)で、当時のユダヤ人は「ヤーウェ」の名を唱えるのが畏れ多いからと、アドナイ(主)と呼んでおったそうじゃ。ところが、旧約聖書の創世...