2022.03.25 13:00違いがわかる男の悩み 昭和45年(1970年)から17年間にわたって、20人の文化人を起用したネスカフェのテレビコマーシャルが放送された。 「ダバダ〜♪」という伊集加代(旧芸名・伊集加代子。アニメ『アルプスの少女ハイジ』の主題歌を歌っている。)の『目覚め』という歌と「違いがわかる男のゴールドブレンド」というナレーションが視聴者を釘付けにした。 これらのうち、私の印象に強く残っているのは、小説家の遠藤周作が出演しているCMだ。遠藤が日本人でありながらキリスト教徒であることに終生苦悩し続けた作家であることをよく表現しているように思えたからだ。 私は、小学生から中学生にかけて遠藤の小説やエッセイをよく読んでいた。特に「ぐうたら」シリーズなどのエッセイは、勉強の合間に読んで、クス...