2022.04.30 02:55項番号から見える反抗精神? 「項」は、形声で、頁+工。「音符の工は、後に通じ、うしろの意味。首のうしろ、うなじの意味を表す。」(『新漢語林』大修館書店)。 ど素人の勝手な想像だが、頭と胴体をつなぐ部分が「うなじ」だから、身体を分類する際のメルクマールとして「項」を使用しているうちに、「分類して分けた事柄」を指す文字として転用されるようになり、やがて我が国の法制執務において「条文の段落」を意味するようになったのだろう。 国の法制執務において、「項」は、条文の段落を意味し、検索や引用の便宜のために、第2段落目以降に算用数字で項番号を付けるのが長年のしきたりになっている。 第1段落目は、第◯条という条名の下に一文字分空けて書き始めるので、それが第1項であることが明らかであって、第1項...
2022.04.15 15:00婦人 ここ最近、漢字のお話ばかりしているので、以前、「婦」という漢字が女性差別だと大きな話題になったことを思い出した。 つい昨日のことのように思い出されるのだが、念のために、調べてみたら、32年も前のことだった!!苦笑 そこで、お若い方のために、少し書いておこうと思った次第だ。 「婦」が女性差別だという主張自体は、かねてから行われてきたが、世論を動かすきっかけとなったのは、下記の三井マリ子東京都議会議員(社会党)の発言だと思う。 平成2年(1990年)9月14日 東京都議会 平成2年厚生文教委員会 三井委員 「「婦人」に対しての対語というのはないわけですね。そしてまた、女性にほうきを持たせている婦人の「婦」という言葉は、性役割の撤廃という面から考えても非常...
2022.04.14 15:00「手続き」? 「てつづき」と入力して、これを変換したら、「手続き」が出てくると、イラっ!とする。決してカルシウムが足りないわけではない。笑 確かに、「続」の音読みは、「ゾク」・「ショク」で、訓読みは、「つづ」く・「つづ」ける・「 つ」ぐだから、漢字で「つづき」と書く場合には、「続(つづ)き」という風に送り仮名を振るのが正しい。 だから、「てつづき」を変換すると、「手続き」が出てくるのだろう。 しかし、漢字を使って書き表す場合に、誤読を避けるために、漢字に添えられる仮名が送り仮名だ。 「手続」を「てつづき」と読むのが長年のしきたりであり、「てつづき」以外の読み方がないので、「手続」を読み間違える可能性がないから、「手続き」と送り仮名を振る必要性は、全くない。 例えば...
2022.04.13 04:00芸は、藝にあらず はい、突然ですが、ここで問題です。「芸亭」をなんと読むでしょうか? 「げいてい」と読んで、寄席や演芸場の名前かなぁと思った方が多いのではなかろうか。 正解は、「うんてい」だ。読み間違えるのは当然であって、決して恥ずかしくない。悪いのは、文科省と国語審議会なのだから。 世界最古の漢字辞典である『説文解字』によれば、「芸艸也」(うんは、そうなり。読み下し文:久保。)とある。 絵文字のような「艸」は、並んで生えている草を意味するから、「芸」(うん)は、草(くさ)の総称を意味する。 『続日本紀』(しょくにほんぎ)によれば、奈良時代の末期、石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が旧宅である阿閦寺(あしゅくじ)の一隅に外典(げてん。仏教関係以外の書物を意味する。)を収...