埼玉県議会の自民党の県議団が、児童の放置等を禁止する「埼 玉 県 虐 待 禁 止 条 例 の 一 部 を 改 正 す る 条 例」案を県議会に提出した。
実際の条例案
埼玉県議会の自民党は、隠れ社会主義者が多いようだ。旧ソ連やナチスドイツのような相互監視・密告社会が理想なのだろう。
真の自由主義者(=保守主義者)ならば、古代ローマの法格言「法は家庭に入らず」(家庭内の問題については、法は関与せずに、自治的解決に委ねるべきだという考え方)に則って、自由であるべき家庭に条例が土足でズカズカと入ることを嫌悪し、決してこのような愚かな条例案を作ったりしないからだ。
確かに、バカ親が児童を自宅や車に放置した結果、児童が亡くなるなどの痛ましい事件があるのは事実だ。
しかし、かかるレアケースを一般化して、お留守番を「放置」に当たるとして、まともな家庭にまでこれを禁止する必要はない。
なぜならば、痛ましいケースについては、刑法の保護責任者遺棄罪(第218条)及び保護責任者遺棄致死傷罪(第219条)があり、これによってバカ親を処罰可能なので、罰則規定のない条例で屋上屋を架す必要がないからだ。
cf.刑法(明治四十年法律第四十五号)
(保護責任者遺棄等)
第二百十八条 老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
(遺棄等致死傷)
第二百十九条 前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
この条例案は、真っ当な親を犯罪者たるバカ親に合わせて規制しようとする愚民化条例案であるだけでなく、我が国の伝統的な家庭の躾を破壊するものでもある。
なぜならば、我が国では、子供がお留守番をしたり、子供同士で遊んだり、子供が親のお使いをしたり、子供だけで登下校したりして、自立心、自主性、社会性を養ってきたのであって、この条例案は、子供の自立心、自主性、社会性の育成を阻害することになるからだ。
この条例案は、目的と手段との間に合理性を欠き、過度に広汎な規制故に憲法に反し無効だ。
<追記>
愚かな条例案は、世間の批判を浴びて、取り下げられた。
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