奈良県立美術館では、「外国人観光客(長期滞在者・留学生を含む)と付添の観光ボランティアガイドの方1人」は、観覧料が無料だそうだ。
奈良県立美術館条例第3条第2項には、「知事は、特別の理由があると認めるときは、前項の観覧料の全部又は一部を免除することができる。 」とある。
「外国人観光客(長期滞在者・留学生を含む)と付添の観光ボランティアガイドの方1人」について、観覧料の全部を免除すべき「特別の理由」とはなんだろうか。
上記記事には、「無料にした理由は、奈良県が当時、外国人観光客の誘致に力を入れていたからと説明した」とあるが、無料にしたら外国人観光客が観覧するのだろうか。むしろ、お金を払ってでも見たいと外国人に思わせる展示をすべきではなかろうか。お役人様の発想は分からん。
世界的に見ると、例えば、エジプト、インド、シンガポール、トルコでは、むしろ外国人料金が徴収されるのだが。
https://www.afpbb.com/articles/-/3500485
https://museum-hopping.com/column/admission/
「特別の理由」に合理性がない場合には、県民に「不当な差別的取り扱い」をしているとして、地方自治法第244条第3項に違反し、違法ということになるし、また、県外在住の日本国民を差別しているとして、法の下の平等を定めた憲法第14条第1項に違反し、違憲ということになる。
なお、2016年に、訪日外国人(インバウンド)向け博物館・美術館の無料入場パス 『KANSAI 18 MUSEUM 3-DAY FREE PASS』が発行されたこともある。
お役人様の発想がズレているのか、私の発想がズレているのか、みなさんのご判断に委ねたい。
https://www.atpress.ne.jp/news/113694
cf.1奈良県立美術館条例(昭和四十七年十月九日 奈良県条例第七号)
(観覧料)
第三条 美術館に展示している美術品等を観覧しようとする者は、次に掲げる観覧料を納めなければならない。
一 常設展示の場合 一人一回四百円以内で知事が定める額
二 特別展示の場合 一人一回千八百円以内で知事が定める額
2 知事は、特別の理由があると認めるときは、前項の観覧料の全部又は一部を免除することができる。
3 既納の観覧料は、還付しない。ただし、知事が特別の理由があると認めるときは、この限りでない。
cf.2地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)
(公の施設)
第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
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