Samsonサムソンをご存知だろうか。
紛らわしいが、スマホGalaxyなどを製造販売する韓国企業Samsungサムスン(朝鮮語で「三つ星」だそうだ。)のことではない。
旧約聖書の士師記13〜16に描かれた古代イスラエルの怪力無双の英雄がサムソンだ。
士師記14に、サムソンが殺したライオンの死骸から蜂蜜を集めて食べたという記述があるのだが、なぜライオンの死骸にミツバチが巣を作るのか、そんなことが実際にあるのか、それとも何かの比喩なのかと不思議に思ったものだ。
どういうお話かをかいつまんで説明すると、サムソンが好きな女性に会うため歩いていると、ぶどう畑にさしかかったところで、突然ライオンに襲われ、素手でライオンの顎を引き裂いて殺した。
この女性との結婚式に向かう途中で、このライオンの死骸が気になって立ち寄ると、この死骸にミツバチが群がって蜜が滴っているので、蜜を集めて歩きながら食べたというのだ。
たまたまABEMAで映画『サムソン 神に選ばれし戦士』(2018年)を無料視聴したところ、この場面が出てきたので、昔抱いた疑問を思い出し、検索したところ、答えが分かった!
「その地域の乾燥した気候では,特に夏において,厚い皮のある動物の死体は,埋葬されないままにしておくと,すぐに骨の上に革が覆いかぶさるだけになってしまう。ほかに良い所がないと,野生のはちは,胸腔部を巣作りに使う」からだそうだ。
ネット様様だ。備忘録として、リンクを貼っておく。
なお、映画『サムソン 神に選ばれし戦士』の無料視聴は、あと8時間で終了なので、お早めに。
この映画は、旧約聖書の記述をできるだけ矛盾なく描こうとしており、好感が持てるのだが、その分盛り上がりに欠け、淡々としているので、エンターテイメントとしてはB級だ。
ただ、素手で三十人のペリシテ人(映画ではペリシテ人の兵士。ペリシテ人は、古代パレスチナ人のことで、古代ユダヤ人は、神との契約を破ったため、ペリシテ人の奴隷とされ、圧政に苦しんでいた。ユダヤ人は、全知全能の創造神と契約を結び、この神の秘蹟を何度も目撃したのに、繰り返し契約を破って許しを乞うので、神との契約すら平気で破る信用ならない民族だとして、ヨーロッパで差別されたわけだ。差別にも理由がないわけではないのだ。)を殺したシーンと、驢馬の顎の骨でペリシテ人の兵士千人を撲殺したシーンは、良かった。
中国映画などはワイヤーで俳優を吊るして、奇想天外なアクションをするので、リアリティーに欠け、興醒めするのだが、サムソンではリアリティーを追求している。
適度な緊張感は、怪我をせずに良いパフォーマンスを発揮する上で必要なのだが、極度の緊張感や恐怖心は、体をこわばらせ、敵の格好の餌食になる。怪力無双のサムソンが次々に兵士を倒す様子を見て、「神がかっている!」と恐れ慄き、次々に撲殺されていく。「英雄の戦いとはさもあらん」、「旧約聖書の千人殺害の記述は、あながち間違いではない」と思えるから不思議だ。
<追記>
我が国にも、怪力無双の英雄が数多くいる。そのうちの一人が戦国武将三浦義意(みうら よしおき)
だ。金棒一薙で5〜10人を撲殺し、約500人を討ち取ったそうだ。サムソンが兵士千人を撲殺したという聖書の記述も、まんざら嘘ではないと思えてくる。
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