下記の記事によると、「パレスチナ自治区ガザ地区で、イスラエル軍が無数の細かい金属片を入れ、殺傷能力を高めた砲弾を住宅密集地で使用している疑い」があるそうだ。
テロ組織とは無関係の民間人被害者は、大変お気の毒だ。現代戦は、本当に残酷で反吐(へど)が出る。
ただ、記事は、殺傷能力の高い砲弾がけしからんというのだが、殺傷能力の低い兵器ってあるのだろうか。
かつて、民間人や敵兵のために、あえて殺傷能力の低い兵器を用いて戦争をした国があったならば、教えてほしいものだ。
そもそも砲弾は、金属の塊であって、爆発により金属片を撒き散らして周辺の人を殺傷するものだ。
砲弾の中でも、とくに榴散弾(りゅうさんだん)は、着弾寸前に砲弾の底部の火薬が発火して炸裂し、砲弾の内部に収められたパチンコ玉のような玉を前方に撒き散らし、人馬を殺傷する兵器だ。19世紀後半から使われており、塹壕(ざんごう)に籠(こも)る敵兵を上空から榴散弾で殲滅(せんめつ)したり、戦車の前方にいる敵兵を殲滅したりするのに使われる。
アメリカがウクライナに供与したクラスター爆弾は、一つの爆弾の中に数百個の小型爆弾が入っており、この小型爆弾が飛び散って、戦車の装甲すらも貫通する。
米国製のM18クレイモア指向性対人地雷は、爆発すると、直径3mmの鉄球700個が60度の弧の範囲で、上方約1.8m、前方30mかそれ以上まで飛び散るそうだ。
このクレイモア対人地雷の空中版がウクライナが用いている散弾ドローンだ。
記事には「特殊兵器」とあるが、このように別に目新しい兵器ではないのだ。印象操作、世論誘導したいのだとしたら、お粗末すぎる。
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