「広島県廿日市市教委は、宮島町の宮島歴史民俗資料館に収蔵している横山大観や奥田元宋の日本画などの美術品計115点を、呉市の海運業リベラグループに9100万円で売却する。もともとは同社から寄贈された品々。無償で譲り受けながら有償で返却する異例の事態となっている。」
確かに、「条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、若しくは支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し、若しくは貸し付けること。」については、議会の議決が必要だ(地方自治法第96条第1項第6号)。
無償で返却すること(無償譲渡)は、「適正な対価なくしてこれを譲渡」することに当たるから、市議会が議決すれば、話は簡単だ。
ところが、なぜ市議会は、議決してやらないのか?
また、なぜ寄贈した海運業リベラグループは、9100万円(住宅事情の変化に伴う日本画の需要低下により寄贈時の評価額6億2500万円の15%)で買い取ることに納得したのか?
「予定地で中世の遺構が見つかり計画は遅れ、18年の西日本豪雨で地元の呉市が大きな被害を受けた」とはいえ、市側の事情で美術館建設を断念したのだから、市民のために寄贈してくれた美術品を無償で返却するのは当然であって、市民の理解も得られるだろう。
むしろ「せっかく寄贈してくださったのに役立てることができず、申し訳ございません」と謝罪しなければならないのに、9100万円で寄贈者に買い取れというのは、恩を仇で返すものだ。
何か裏があるのだろうか?
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