「懲役刑となった町職員も、執行猶予なら罪状などに関わらず職場復帰できる可能性を開く条例改正案が、奈良県三郷町議会に議員提案されることがわかった。町の工事をめぐる官製談合事件で、元部長らを執行猶予付きの懲役とする地裁判決が出たばかりで、「特定の人を救済するための改正案ではないか」との指摘がある。」
これは、さすがに住民の理解を得られないだろう。
この点、橋本勇『新版 逐条地方公務員法<第2次改訂版>』(学陽書房)には、「欠格条項および失職の事由はいずれも職員の資格としては重大なものであり、また、その特例は身分取扱上極めて重要な問題でもあるので、一般的には特例条例を定めることは適当であるとは考えられず、特例条例を定める場合は、極めて例外的な場合に限られなければならない。」とあり(545頁)、全く同感だ。
cf.地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)
(欠格条項)
第十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、条例で定める場合を除くほか、職員となり、又は競争試験若しくは選考を受けることができない。
一 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
二 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
三 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
四 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
(降任、免職、休職等)
第二十八条 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一 人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
二 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三 前二号に規定する場合のほか、その職に必要な適格性を欠く場合
四 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
2 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、その意に反して、これを休職することができる。 一 心身の故障のため、長期の休養を要する場合 二 刑事事件に関し起訴された場合
3 職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定めがある場合を除くほか、条例で定めなければならない。
4 職員は、第十六条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、条例に特別の定めがある場合を除くほか、その職を失う。
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