後ろ指を指されない人事行政

 沼津市が、役職定年した総務部長を降任せずに市議会事務局書記の筆頭である「参事監」(議会事務局長よりもワンランク下の部長級)に充てる人事を発表した。

 異例ではあるが、似た事例はある。役職定年制度が新設される前の事例だが、いったん定年退職した総務部長を部長級の「危機管理監」に再任用した市がある。

 人望があり、経験豊富で優秀な人材に活躍してもらおうというわけだ。


 ただ、沼津市の場合、組織の新陳代謝を促進し活性化を図るとともに、若手職員のモチベーションアップにつなげるという役職定年制度の趣旨を没却させるおそれがあるし、また、公募せずに市長の推薦に基づいて選考が行われている点に、選考プロセスの不透明さ・不公平さがあり、疑問だ。

 強引な任用をせざるを得ない何らかの事情があったのだろうか。



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