静岡「市は公募型プロポーザルで昨年3月、弁当・総菜販売の天神屋(駿河区)を2029年3月までの食堂運営事業者に選定したが、5年間の賃借料546万円の契約は未締結で、24年度分の賃借料109万2千円も請求しなかった。事業者は昨年5月に締結を催促したが、職員はそれも失念し、放置していたという。」
「昨年11月に市の行政監査で指摘を受けて発覚した。今年3月、1年さかのぼる形で契約を締結し、24年度分の賃借料の支払いを受けた。市は組織として業務の進捗(しんちょく)管理ができていなかったとし、関係職員の処分を検討する。」
担当職員さんは、業務多忙で契約締結を放置していたらしいが、う〜ん、こんな話は聞いたことがない。
公募型プロポーザルだから、市役所の募集要項を承知の上で応募している以上、契約書の作成自体は簡単だと思うのだが、上司や先輩に報連相できないほど忙しかったのだろうか。
実害はないとはいえ、職務怠慢なので、懲戒処分になる。
なお、公募型プロポーザルについては、『大阪市公募型プロポーザル方式ガイドライン』が分かり易く説明しているので、そのまま引用する。
「公募型プロポーザル方式は、業務委託契約を締結する相手方の選定手法の1つであり、公募 型プロポーザル方式により選定された事業者とは、地方自治法施行令第 167 条の2第1項第2 号が定める「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当するものとして随意契約を 締結することになります。従って、公募型プロポーザル方式は、地方自治法で定められている 一般競争入札により契約相手方を選定するという原則の例外的な手法となるため、業務の性質 及び目的を考慮して限定的に採用しなければなりません。
業務委託契約の中には、高度で専門的な技術力が求められる業務や、芸術性、創造性が求め られる業務で契約の金額も重要な要素ではあるが、むしろ仕様そのもの、若しくは契約相手方 の持てる能力や経験がより重要となる場合があります。
このように、その性質又は目的が価格競争による入札に適しないと認められる業務の契約に ついて、事業者から対象業務等に関する企画書、提案書等を提出させ、企画・提案内容として 優秀で、しかも本市にとって最も有利な提案をした者を契約の相手方として特定する方式のこ とを企画競争方式といいます。
公募型プロポーザル方式は、企画競争方式の1つであり、対象業務に関して企画案・実施方 針等の提出を求め、最も優れた「提案者」を採用する選定方法であり、「基本的」な考え方の提 案を求めるものです。対象業務の内容が技術的に高度なもの又は専門的な技術が要求されるも のであって、提出された企画提案に基づいて仕様を作成するほうが最も優れた成果を期待でき る場合にプロポーザル方式を採用することとなります。
なお、あらかじめ定めた条件をもとに選定した者の中から企画提案を求め実施事業者を決定 する指名型プロポーザル方式も可能ですが、本市では公正性・透明性確保の観点から公募型プ ロポーザル方式の採用を原則としています。」
職員研修についても、この公募型プロポーザル方式を採る自治体がある。
しかし、募集要項を作成するなど、さまざまな手続を経なければならず、時間と手間の無駄だ。講師も、企画書を作成したり、プレゼンしたりするなど、負担が大きい。
講師謝礼金は、微々たる金額だから、職員研修については、公募型プロポーザル方式よりも、研修担当職員さんがご自身の目と足を使って、別の自治体で実施している職員研修を見学して、講師の技量等を確かめてから、その講師と少額随契(地方自治法施行令第167条の2第1項第1号)で契約を締結した方が効率的だ。
実際、見学にお越しになる研修担当職員さんがおられ、そのような熱心な自治体は、職員さんのレベルが高い。
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