内定を活用した人材プール

 岩手県内の複数市町村が、東北地方で初めて共同採用試験を実施するそうだ。

その効果・ねらいについて

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・ 申込者は、一度の申込みで2つの市町村を受験でき、第一希望の団体で不合格となっても第二希望の団体で採用となる場合があることから、公務員志望者の県内への就職機会の確保につながります。 

・ 複数市町村の職員募集を一体的に行うことで、全国に向けてより効率的かつ効果的に情報発信をすることが出来ます。 

・ 共同採用は、各市町村が独自で行う採用試験に加えて実施するものであり、募集要項の作成や一次考査における面接会場の運営、対外的なPR等を県が行うことで、市町村の負担を軽減しながら、新たな職員募集の機会を設けることができます。 

・ 業務遂行上必要な資格や自治体等での勤務経験を有することを応募条件とすることで、面接のみで合否を決定する場合があります。

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 共同採用試験の法的根拠は、地方公務員法第18条にある。


cf.地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)

(試験機関) 

第十八条 採用のための競争試験(以下「採用試験」という。)又は選考は、人事委員会等が行うものとする。 ただし、人事委員会等は、他の地方公共団体の機関との協定によりこれと共同して、又は国若しくは他の地方公共団体の機関との協定によりこれらの機関に委託して、採用試験又は選考を行うことができる


 例えば、かつて大阪府の北摂7市が共同採用試験を実施していた。昔は、筆記試験問題もそれぞれの人事課の職員さんたちが集まって、自ら作成していたが、その後、外部から問題を購入するようになった。

 やがて各市の採用方針等の違いから、共同採用試験は、実施されなくなったのだが、社会経済状況の変化に伴って人材確保が困難になるにつれて、長野県、奈良県、広島県、沖縄県に続いて岩手県でも実施されるようになったわけだ。


 う〜ん、共同採用試験もいいとは思うけど、内定を工夫したらどうだろうか?


 厚労省によれば、令和3年3月に卒業した新規学卒就職者のうち、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が38.4%(前年度と比較して1.4ポイント上昇)、新規大学卒就職者が34.9%(同2.6ポイント上昇)だそうだ。

 自治体職員採用試験の内定の有効期限を4年にして、一旦、民間企業又は国若しくは他の自治体に就職して水が合わなかったら、かつて内定をくれた自治体に容易に転職できるとなれば、受験生にとってかなりメリットがあると思うので、受験生の母数を増やすことができ、人材確保の可能性が高まるかも知れない。

 アイデア料ちょうだい!笑


源法律研修所

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