悲鳴を上げる植物

 埼玉大学の豊田正嗣准教授らの研究によって、脳や神経を持たない植物が傷つけられると、その情報を他の部分に伝える仕組みが解明された。  

うま味が痛みを伝えている!?-植物が傷つけられたことを感じ、全身へ伝える仕組みを解明-(大学院理工学研究科 豊田 正嗣准教授)

2018/9/14概要大学院理工学研究科の豊田正嗣准教授(米国ウィスコンシン大学マディソン校・名誉フェロー、元科学技術振興機構・さきがけ研究者)の研究グループは、植物が傷つけられたことを感じ、その情報を瞬時に全身へ伝える仕組みを解明しました。 本研究グループは、カルシウムイオン(Ca²⁺)¹やグルタミン酸²のバイオセンサー³を用いて、植物が幼虫に食べられた時や、はさみ等で物理的に傷つけられた時に起こる長距離・高速Ca²⁺シグナル伝搬の可視化に成功しました(図1)。植物には神経はありませんが、植物特有の器官である養分を運ぶ管(師管⁴)を介して、Ca²⁺シグナル(傷害情報)を全身に伝えていました。さらに、このCa²⁺シグナルを発生させるためには、傷ついた細胞や組織からグルタミン酸が流出し、師管等に発現しているグルタミン酸受容体⁵を活性化させる必要があることがわかりました。 グルタミン酸は、うま味成分の1つであるだけではなく、我々の脳内では神経伝達物質として記憶や学習に関与していると考えられています。植物は、師管のような植物独自の器官と、進化的に保存された脳や神経と共通のシステムを組み合わせることで、長距離・高速情報処理を可能にしていると考えられます。 本成果は、2018年9月14日(アメリカ東部標準時間)に、米国科学雑誌『Science』に公開されます。 【報道解禁: 2018年9月14日 午前3時(日本時間)】 図1 幼虫(点線)の捕食によって起こる長距離・高速Ca²⁺シグナル伝播 (黄矢印) 緑色がCa²⁺バイオセンサー(GCaMP)のGFP蛍光で、細胞内Ca²⁺濃度が上昇すると明るく光ります。幼虫がシロイヌナズナの葉を捕食すると、即座に細胞内Ca²⁺上昇が起こり(20秒、赤矢尻)、傷つけられていない若い葉に伝搬しました(40~60秒、黄矢印)。ポイント· 脳や神経を持たない植物が、どのような仕組みを用いて傷つけられたことを感じて、その情報を瞬時に全身へ伝えるのか、不明でした。 · 植物が害虫等によって攻撃された時、傷ついた細胞からグルタミン酸が流出します。このグルタミン酸がグルタミン酸受容体に結合することで、細胞内のCa²⁺シグナルが発生し、養分を運ぶための師管を通って、全身に伝搬することが明らかになりました。 · グルタミン酸はうま味成分の1つとし

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 植物が動物と似た仕組みを持っているからといって、植物も痛みを感じるとは直ちに言えないが、イスラエルのテルアビブ大学の研究チームによると、植物は、水分不足のストレスを感じると、組織内で発生した気泡が膨張して破裂する。この一連の動作に伴う振動で、数秒ごとにパチパチという音を放って、人間には聞こえない高周波の「悲鳴」を上げるそうだ。

 昆虫にはこの「悲鳴」が聞こえるので、「悲鳴」を上げている植物を敬遠して、「悲鳴」を上げていない植物に卵を産み付けるらしい。  

 植物も、動物と同じ生物なのだ。痛みを感じ、悲鳴を上げても、不思議ではない。


 わざわざ日本に来て、ベジタリアンやヴィーガン向けの飲食店が少ないと文句を言うvegetarianベジタリアン「菜食主義者」やveganヴィーガン「完全菜食主義者」の意見を聞いてみたいものだ。


 我々日本人からしたら、動物であろうと植物であろうと、生きとし生けるものには生命があり、その生命を奪って食べなければ生きていけないのが人の悲しい性(さが)である以上、料理になった動植物、生産者、流通業者、料理人などに、ありがたく感謝して、大切に残さずいただくのが自然の理(ことわり)に適うし、このように考える方が、自己満足かも知れぬが、心が清浄になる。



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