ハイタッチとグータッチ

 FIFA U-17ワールドカップ カタール2025で、日本チームと北朝鮮チームがハイタッチやグータッチをする際に、北朝鮮チームが拳を振り上げて強くグーパンチしたことがスポーツマンシップに反するとして話題になっていた。

 小さい頃から日本は敵だと教えられ、試合で日本に負ければ制裁が待ち受けている可能性が無きにしも非ずだから、気合いが入るのは致し方ないとも思えるが、何のためにハイタッチやグータッチをするのかを弁えていないことは、明らかだ。

 勝利至上主義に陥って、本来楽しむものであるスポーツの意義や人格陶冶という教育の意義が忘れ去られてしまったきらいがある。


 ところで、日本では、ハイタッチ、グータッチと呼ばれるが、いずれも和製英語だ。

ハイタッチは、high-fiveハイ・ファイブと言い、グータッチは、fist-bumpフィスト・バンプと言う。

 いずれも比較的最近行われるようになったハンド・サインだと思う。昔の白黒映画・ドラマでは行われていないからだ。

 high-fiveは、軽い挨拶や喜びを分かち合う際に行われることが多いようだ。

 間違っているかも知れないが、映画やドラマを見る限り、fist-bumpは、元来、米国の黒人の間で親密さや仲間同士の連帯感を確かめ合うために行われ、その後、広く行われるようになったと思う。fist-bumpをした後で、仲間同士だけが知っている様々なジェスチャーを続けることで、より一層連帯感を高め合うみたいだ。側から見ると滑稽だが、本人たちはかっこいいと思っているようだ。


 記憶が定かではないが、日本では、ハイタッチは、バレーボール選手や野球選手が得点するたびに選手同士で行っていたけど、少なくとも私が高校生の頃には、広く一般に普及していたと思う。高校時代、友人たちとボーリングに行って、ストライクが決まると、ハイタッチした記憶があるからだ。可愛い女子たちとのハイタッチは、なんとも照れ臭かったので、記憶に残っている。小中学生の頃にハイタッチをした記憶はない。

 これに対して、日本におけるグータッチは、コロナが流行していた時分に、感染拡大を防ぐために、政治家が握手の代わりに行うようになったと記憶している。私は、グータッチをしたことはない。



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