地方自治法第126条は、「普通地方公共団体の議会の議員は、議会の許可を得て辞職することができる。但し、閉会中においては、議長の許可を得て辞職することができる。」と規定されている。
従って、閉会中に議員辞職するには、議長の許可が必要だが、休会中に議員辞職するには、議会の許可が必要ということになる。
「閉会」とは、会期(議会の活動期間)が終了することをいい、「休会」とは、会期中に本会議が開かれないことをいう。
なお、「散会」とは、その日予定していた審議が終了し、その日の会議を終わることをいい、「延会」とは、その日予定していた審議が終わらない場合に、その審議を別日に延期することとして、その日の会議を終わることをいう。
似た言葉が出てきたときには、要注意であって、何がどう違うのかを調べ、考えると、理解力が向上する。
ところで、地方自治法第102条の2第1項は、「普通地方公共団体の議会は、前条の規定にかかわらず、条例で定めるところにより、定例会及び臨時会とせず、毎年、条例で定める日から翌年の当該日の前日までを会期とすることができる。」と規定して、通年議会を認めている。
同条第6項は、「第一項の議会は、条例で、定期的に会議を開く日(以下「定例日」という。)を定めなければならない。」と定めている。
これを受けて、滋賀県の守山市議会の会期等に関する条例(平成31年3月26日 条例第13号)第1条は、「地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第102条の2第1項の規定に基づき、守山市議会の会期は、10月16日から翌年10月15日までとする。」と定めて、通年議会を導入している。
そして、同条例第2条第1項は、「法第102条の2第6項に規定する定例日(以下「定例日」という。)は、次に掲げる間にある日(会議を開かない日および守山市の休日を定める条例(平成2年条例第1号)第1条第1項に規定する市の休日を除く。)とする。
(1) 2月20日から3月31日まで
(2) 5月25日から7月5日まで
(3) 8月20日から10月5日まで
(4) 11月15日から12月25日まで」と定めている。
さて、下記の記事によると、守山市議会の今江恒夫議員が「一身上の都合」で田中尚仁議長宛てに辞職願を提出したのは、11月6日、つまり休会中だった。
従って、本来、議会の許可が必要なのに、議会事務局は、これに気付かずに、辞職手続を進めていたところ、別の市議会議員から「会議期間外でも閉会中ではないと思うが、議長許可による辞職が認められるのか」と指摘を受けて、間違いに気付いたそうだ。
①通常、定例会と定例会の間は、閉会中になるのだが、通年議会の場合には、定例日と定例日の間は、休会中になること、及び、②閉会中は議員辞職に議長の許可が必要であるのに対して、休会中は議員辞職に議会の許可が必要であることを、議会事務局の職員さんが認識していなかったのだろう。
通年議会を導入している自治体は、要注意だ。
間違いに気付いた市議会議員さんのお名前が記事に載っていないけど、褒めてあげてほしいものだ。
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