「てつづき」と入力して、これを変換したら、「手続き」が出てくると、イラっ!とする。
決してカルシウムが足りないわけではない。笑
確かに、「続」の音読みは、「ゾク」・「ショク」で、訓読みは、「つづ」く・「つづ」ける・「 つ」ぐだから、漢字で「つづき」と書く場合には、「続(つづ)き」という風に送り仮名を振るのが正しい。
だから、「てつづき」を変換すると、「手続き」が出てくるのだろう。
しかし、漢字を使って書き表す場合に、誤読を避けるために、漢字に添えられる仮名が送り仮名だ。
「手続」を「てつづき」と読むのが長年のしきたりであり、「てつづき」以外の読み方がないので、「手続」を読み間違える可能性がないから、「手続き」と送り仮名を振る必要性は、全くない。
例えば、日本法令索引[明治前期]で「手続」を検索したら、559 件ヒットし、そのうち最も古いのが
「東京府下町地譲與沽券状書継手續并地所譲受人ヨリ弘金歩一金等請納ヲ止メシム( 明治2年4月3日東京府町触)」であって、「手続」を用いている。
それ故、「公用文における漢字使用等について」(平成22年11月30日内閣訓令第1号)も、「複合の語(「送り仮名の付け方」の本文の通則7を適用する 語を除く。)のうち,活用のない語であって読み間違えるおそれのない 語については,「送り仮名の付け方」の本文の通則6の「許容」を適用 して送り仮名を省くものとする。なお,これに該当する語は,次のとお りとする。」として、「手続」を挙げている。
同様に、「法令における漢字使用等について(通知)」(平成22年11月30日内閣法制局総総第208号 )も、「イに該当する語を除き,原則として,「送り仮名の付け方」の本 文の通則6の「本則」の送り仮名の付け方による。ただし,活用の ない語で読み間違えるおそれのない語については,「送り仮名の付 け方」の本文の通則6の「許容」の送り仮名の付け方により,次の 例に示すように送り仮名を省く。」として、「手続」を挙げている。
e-Gov法令検索で「手続」を検索したら、3917件ヒットした。
念のために、e-Gov法令検索で「手続き」を検索したら、驚いたことに38件ヒットした!
そのうち、法律は2本あるが(cf.1とcf.2)、いずれも同じ一部改正法だった。この38件は、チェックした際に見落としてしまったのだろう。
cf.1厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)
附 則 (平成一二年三月三一日法律第一八号) 抄
第1条第2項 第三条の規定による改正後の国民年金法第七十七条第一項に規定する基本方針及び第七条の規定による改正後の厚生年金保険法第七十九条の四第一項に規定する基本方針の策定のため必要な手続きその他の行為は、施行日前においても行うことができる。
cf.2国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)
附 則 (平成一二年三月三一日法律第一八号) 抄
第1条第2項 第三条の規定による改正後の国民年金法第七十七条第一項に規定する基本方針及び第七条の規定による改正後の厚生年金保険法第七十九条の四第一項に規定する基本方針の策定のため必要な手続きその他の行為は、施行日前においても行うことができる。
では、自治体ではどうなのだろうかと思って、条例Webアーカイブデータベースで「手続」を検索したら、400085件ヒットした。
念のために、条例Webアーカイブデータベースで「手続き」を検索したら、驚くことに51654本もヒットした!
自治体名を挙げないが、あまりの多さに、うっかり「手続き」と入力してしまったのではなく、意図的に「手続き」と表記しているのか、又は全く何も考えていないのではないかと思わざるを得ない自治体もある。公用文の作成要領を作って、送り仮名について国に準する旨を定めているので、後者の可能性が高い。
くどいようだが、「手続」について、「てつづき」以外の読み方があるならば、ぜひご教示いただきたい。
「てつづき」以外の読み方があれば、誤読を避けるために、「手続き」と送り仮名を振る必要があり、私のイライラも解消されるからだ。
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