横書きの読点は、「、」なのか、「,」なのかについては、以前、このブログで述べた。
その後、令和4年1月7日、文化庁の「文化審議会は、「公用文作成の考え方」を取りまとめ、文部科学大臣に建議しました。これは、「公用文作成の要領」(昭和26年 国語審議会建議)に代えて、今後、政府における公用文作成の手引として周知・活用されることを目指すものです。」
この「公用文作成の考え方」には、「句点には「。」(マル)読点には「、」(テン)を用いることを原則とする。横書きでは、 読点に「,」(コンマ)を用いてもよい。ただし、一つの文書内でどちらかに統一する。」とある。
つまり、昭和26年の「公用文作成の要領」では、読点には「,」を用いるとされていたのに、平成4年の「公用文作成の考え方」では「、」を用いるのが原則とされたわけで、大変喜ばしい。
さて、Googleニュースをカスタマイズして、一定のキーワードに関する記事がメールに配信されるように設定しているのだが、今朝、下記の記事が配信されてきた。私は、京都市議会議員大道義知氏と一切無関係であることを念の為に書き添えておく。
468本もの条例の「,」を「、」に改めるのは、さぞや大変だろうと思われるかも知れないが、実は簡単だ。
京都市会総務消防委員会に附託された議案104号条が掲載されていないので、実際のところは分からないけれども、つくば市条例の読点の表記を改める条例と似たようなものだろう。
国の場合、多くの法令を一挙に一部改正する方法として、「関係法律の整理(整備)に関する法律」が制定されるが、これと一緒だ。
cf.1つくば市条例の読点の表記を改める条例 (平成30年3月23日 条例第17号 )
つくば市の条例(この条例の施行の際現に効力を有するものに限る。)において読点として表記する「,」は、「、」に改める。
附 則
この条例は、平成30年4月1日から施行する。
現時点で、条例の読点の表記を改める条例は、つくば市の他に、つくばみらい市条例の読点の表記を改める条例 (令和3年3月24日 条例第15号)、結城市条例の読点の表記を改める条例 (令和3年3月29日 条例第14号)がある。いずれも茨城県内の市であることが面白い。
なお、地方公共団体の長が定める規則、訓令などの行政組織内部の規範にすぎない行政規則については、条例とは別なので、別途手当てをしなければならず、例えば、つくば市では、つくば市規則の読点の表記を改める規則やつくば市訓令の読点の表記を改める規程を制定している。
cf.2つくば市規則の読点の表記を改める規則 (平成30年3月23日 規則第18号)
つくば市の規則(この規則の施行の際現に効力を有するものに限る。)において読点として表記する「,」は、「、」に改める。
附 則
この規則は、平成30年4月1日から施行する。
cf.3つくば市訓令の読点の表記を改める規程 (平成30年3月23日 訓令第4号)
庁中一般
出先機関
つくば市の訓令(この訓令の施行の際現に効力を有するものに限る。)において読点として表記する「,」は、「、」に改める。
附 則
この訓令は、平成30年4月1日から施行する。
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