大阪府の吉村洋文知事は、記者会見でイソジンが新型コロナに効くと得意げに述べて失笑を買ったのに、これに懲りずに、無駄でくだらない大阪・関西万博を実施するに飽き足らず、大阪公立大学の公用語を英語にすると発言して「大学の自治」に不当に介入し、本当に弁護士なのかと不信感を府民に与えた。
今度は、吉村知事は、政府が創設する「金融・資産運用特区」の指定に向けて1億2000万円程度の投資をしたら永住権を与えると提案したそうだ。いわゆる投資家ビザをやるというわけだ。
貧乏な私からしたら1億2000万円は大金だが、これで日本国の永住権が買えるとなれば、外国人にとっては安いものだ。
お金持ちだからといって、善人だとは限らない。マフィアなど、世界中の裏社会の連中が喜んで1億2000万円で永住権を買うことだろう。
これを「売国」と言う。売国によって国が栄えた例(ためし)無(な)し。
永住権を一旦与えたら、やりたい放題で居座り続ける。迷惑この上ない。そこで、国もようやく重い腰を上げようとしているぐらいなのに、吉村知事は、金さえ払えば永住権を与えよと言う。
Wikipediaによると、吉村氏は、知事になる前は数多(あまた)の社会問題を引き起こしたサラ金・武富士の顧問弁護士だったらしい。初代党首の橋下徹氏は、飛田新地やサラ金・アイフルの子会社の顧問弁護士だったらしい。吉村氏率いる維新の会所属の議員の不祥事は、枚挙に遑(いとま)がなく、刑事事件に発展したものが少なくない。万博跡地にカジノを誘致して賭博をさせる話といい、今回の永住権売却の話といい、胡散臭い。「類は友を呼ぶ」という故事成語を思い出した。
さて、吉村知事は、世界と同じ土俵で戦えるように世界標準に合わせて投資家ビザを提案しているらしいが、はっきり言って世界の潮流が全く分かっていない。
ヨーロッパでは、ポルトガルやアイルランドのように、投資家ビザを廃止する国が増えているのだ。投資家ビザには、様々な弊害があるからだ。
なぜヨーロッパで失敗した投資家ビザを日本に導入しようとするのか、私には理解できない。
インターネットを使えば、ヨーロッパで投資家ビザを廃止・制限する動きが広がっていることは容易に分かるから、これを承知の上で、日本を混乱の坩堝(るつぼ)に陥れようという魂胆なのだろうか。
例えば、下記の記事によれば、投資家ビザ(ゴールデンビザ)については、「安全保障上のリスク、マネーロンダリング(資金洗浄)や脱税、テロ資金調達、汚職、組織犯罪の浸透を許すなど、EUの規範と相容れない」との理由でEUが抑制に動き、論争も巻き起こっている。欧州議会の市民的自由委員会は、ゴールデンビザ制度を「倫理的、法的、経済的観点から好ましくない」と非難している。
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