下記の記事によると、山形県議会自民党会派が提出した「山形県笑いで健康づくり推進条例」が可決された。
県民は、「1日1回は笑う等、笑いによる心身の健康づくりに取り組むよう努めるものとする」と定められているそうだ。
笑いが健康に良い影響を与えるという研究結果が出ているそうだが、山形県では笑わない県民がどれだけいるのか調査したのだろうか。
実態調査の結果、笑わない県民が多いというのであれば、健康のために笑うように努力義務を課すことにも一理あるけれども、このような調査もせずに、立法事実の有無が明らかではないのに、努力義務を課しているとしたら、疑問が残る。
「個人の意思を尊重し、置かれている状況に配慮するもの」とするのであれば、初めから努力義務を課すべきではない。
国も自治体も、自由に対する議員の見識の低さ故の立法万能主義の弊害が目に余る。
今の時代、なんでもかんでもやれヘイトだ、やれセクハラだ、やれパワハラだとギスギスしていて、迂闊なことが言えず、ますますコミュニケーションが取りづらくなっている。
例えば、アメリカン・ジョークの定番だが、
Short skirts have a tendency to make men polite.
Have you ever seen a man get on a bus ahead of one?
(ミニスカートは、男性を紳士にする。先にバスへ乗り込む男性はいないからだ。)
Why is women’s soccer so rare?
It’s quite hard to find enough women willing to wear the same outfit.
(どうして女子サッカーは珍しいの?おそろいの服を着たい女性はなかなかいないからだよ。)
The balding middle-aged man asked his barber, “Why charge me the full price for cutting my hair — there’s so little of it.”
“Well, “said the barber, “actually I make little charge for cutting it. What you’re paying for is my searching for it!”
(散髪屋で、ほとんど髪の毛がない中年男性が、なぜ普通の人と同じ散髪代なのか?と尋ねた。それは、あなたの髪の毛を探す料金だよ!)
と我が国の議員や有名人が言えば、きっと叩かれて炎上することだろう。
人種や性別をはじめとしたあらゆる差別的な表現をなくそうとする考え方Political Correctnessポリティカル・コレクトネスが世に蔓延(はびこ)っているからだ。
かかる自由を抑圧する悪しき平等主義が日本を覆っているため、心にゆとりがなくなってしまったからこそ笑いが減っているのではなかろうか。
このようなジョークを容認し、笑い飛ばすことができる心の余裕こそが今社会に求められているのであって、1日1回笑うことを義務付けることが求められているわけではない。
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