人生のしおり <追記>

 本の栞(しおり)と修学旅行のしおりは、全く違う形状なのに、同じ「しおり」と呼ばれている。なぜ?と疑問に思わなかった人は、チコちゃんに叱られるかもしれない。

 

 「しおり」は、山道などを歩くときに、帰り道が分からなくなって迷子にならぬように、道標(みちしるべ)・目印として木の枝を折り曲げる「しほ(枝折)る」の連用形が名詞化したものだそうだ。

 

 そこで、どのページを読んでいたのか迷子にならぬように本のページに差し込む紙等を「しおり」と呼び、また、修学旅行など、旅人が迷子にならぬように分かりやすく説明した案内書・手引書を「しおり」と呼ぶわけだ。


 人生の「しおり」は、本の栞に相当する「思い出」だろうか。少なくとも戦前までならば、思い出を振り返りながら余生を過ごし、家族に看取られて息を引き取ることができた。


 しかしながら、現代においては、様々な理由で一人暮らしをする高齢者が多くなったので、思い出に耽っているわけにはいかず、あの世へ旅立つための「しおり」、すなわち旅のしおりに相当する「高齢者等終身サポート」を準備する必要がある。


 高齢者等終身サポートについては、下記のNHKの記事が参考になる。


 高齢者等終身サポートには、様々な業界が進出し、トラブルが増えている。今後、さらにトラブルが増加するだろう。

 そこで、消費者庁は、「高齢者等終身サポート事業に関する事業者ガイドライン」を策定しているが、これには法的拘束力がない。

 国が法律で一律に規制するのが望ましいのかも知れないが、国が重い腰を上げるのを待っていては高齢者等を守れないという事情があれば、自治体に期待せざるを得ない。


 今のところ、高齢者等終身サポートについての条例は、制定されていないので、今年度の政策法務のお題にしようかなぁ〜と思っている。


<追記>

 ネットで話題になっていたので、備忘録としてリンクを貼っておく。

源法律研修所

自治体職員研修の専門機関「源法律研修所」の公式ホームページ