実質的な救急車有料化

 「微熱や切り傷といった緊急性がないか低い症状で救急搬送された場合、病院が患者から「選定療養費」として原則7700円以上を徴収する取り組みが2日、茨城県で始まった。都道府県単位で制度として適用するのは初めて。軽症患者の搬送による救急業務の 逼迫 は全国的な課題になっており、現場の負担軽減につながるかが注目される。」

 現場の医師も、心を蝕まれるようだ。

 それにしても、記事の執筆者である鷹見 夜氏の他の記事も読んだ。御典医を除き、もともと医業は賤業で、医師の身分が低かったけれども、明治元年から150年以上経ったのだから、すっかり品良くなっているものと思いきや、成り上がりの色彩が色濃く残っているのだなぁ〜と驚いた。まあ、記事に出てくる下品で患者を見下す成金医師ばかりではなかろうが。

 実際、つい一昔前までは、脱税(一件当たりの申告漏れ所得金額)ランキングで、①貸金業、②パチンコ屋、③病院が常連だったけど、今では①経営コンサルタント、②くず金卸売業、③ブリーダーだから、かなり品良くなっていると言える。現代では、医師の社会的地位は極めて高く、結婚相手として女性に人気があるのも当然だ。

 

 ちなみに、ヴェブレン『有閑階級の理論』(岩波文庫)を持ち出すまでもなく、名門名家の人は、これ見よがしに高級外車を乗り回したりするなどの派手な生活をしないし、誇示しようとしない。

 米国でも同じだ。テレビが取り上げる米国のセレブと呼ばれる人は、成り上がりなので、見栄を張って、派手な生活を見せびらかしているのに対して、米国の名門名家の人は、見栄を張る必要がないので、クオリティは高いが、質素で慎ましい生活をしている。英国も同様であって、例えば、チャールズ国王の靴は、つぎはぎだらけだ。

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