ネットで話題になっていた下記の赤旗の記事を読んで、「内(うち)ゲバ」が思い浮かんだ。
内ゲバとは、内部ゲバルトの略で、同一陣営内部のGewaltゲバルト(暴力)を用いた派閥抗争をいう。
私が子供の頃、遊び場の一つだった関西大学構内で、中核派や革マル派などのヘルメットを被った左翼学生同士が角材や鉄パイプを用いて殴り合って、血だらけになっているのを目撃したことがある。これが内ゲバだ。
さて、日本共産党の植木俊雄広報部長が、毎日新聞東京本社を訪れて、「共産党 伸びない理由」という記事について抗議をしたそうだ。
ゲバルトこそ用いていないが、このような行動が「異論を許さぬ閉鎖性」だと思われても仕方なかろう。
自民党が同じことをすれば、公党による言論弾圧だと猛烈に批判するだろうに、自分たちがするのは構わないと考えているところに恐ろしさを感じる。
ところで、先日98歳で亡くなった読売新聞主筆の渡邉恒雄氏について、東大名誉教授の御厨貴(みくりや たかし)氏は、次のように述べている。
「基本的に野球が好きじゃない人だから、やっぱり好きじゃない人がやるのはまずいですよ。渡辺氏と話すといつも『どうしてバッターは打ったら1塁に行かなきゃいけないのか。3塁に行ったらいけないのか。そこの論理的説明は誰もしていない』と言っていました。野球協約には興味がある人。これは一般的な興味とは合わない。一生懸命やる人でしたが、ちょっと違ったかなと」
別の記事にも、野球音痴の渡邉恒雄氏が「プロ野球界の憲法「野球協約」を徹底的に読み込み、誰と議論しても負けないほどの知識を蓄えた」とある。
野球が好きではないのに、「野球協約には興味がある人」という人物評になるほどと感心した。渡邉恒雄氏は、筋金入りの元共産党員だったので、やはり「三つ子の魂百まで」だな、と思ったからだ。
どういうことかというと、上記赤旗の記事で日本共産党の植木広報部長が「除名の理由は異論を述べたことではなく、自らも承認していた党の綱領や規約に背いて党外から党を攻撃したことにある」と述べているように、共産党員にとって、共産党の綱領や規約こそが最高のルールである以上、これを徹底的に読み込んで、誰と議論しても負けないように理論武装することが党内抗争で生き残る術の一つなので、その癖が染み込んでいた渡邉恒雄氏は、野球協約を己の武器にすべく読み込んでいたのだろう。
例えば、中国では、「中華人民共和国憲法」において、国家は中国共産党の指導を仰ぐものとされており、実質的に中国共産党が国家の上に 位置づけられているので、党の綱領・規約の方が憲法よりも上なのだ。共産党員が党の綱領・規約に異常なまでにこだわるのはそのためだ。
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