banker

 ネットで地銀が話題になっていたので、思い出した。


 学生時代、ただの銀行員ではなく、bankerバンカー「銀行家」になりたいと言う友人がベンチに座って涙を浮かべているので、訳を訊いたら、第一志望だった都市銀行の最終面接で落とされたと凹んでいた。

 図体はデカいが、気の優しい真面目な奴で、緊張して熱い想いを伝えられなかったようだ。


 そこで、親父の知り合いの若い頃の話をした。この人は、ある大企業の最終面接で、経団連の会長をしている社長など取締役達の面前で、「10年経って俺が社長になれないような会社だったら、こんな会社辞めてやる!」と豪語した。

 社長が「面白い奴だ!」と言って、その場で即採用が決まった。実際、10年後、この社長と社長の椅子を巡って争ったが、敗れ、自分で会社を立ち上げた。その後、「フィクサー」「コーディネーター」と呼ばれる裏社会の大物になった。


 「お前も、過ぎたことをメソメソせずに、この人を見習って、最終面接で『頭取になります!』とガツンと言ってやれ!」と友人を励ましたら、本当に、最終面接で「頭取になります!」と言って、即採用が決まった。

 まさか本当に言うとは思わなかったが。。。笑


 この話が銀行中に知れ渡り、常に注目の的なので、本人も大変だったようで、1年目の研修ノルマとして1000万円の預金を集めろと言われて、家族親戚、友人知人、大学の先生方などの家を駆けずり回って、見事にノルマを達成した。

 根性があるということで、広域暴力団担当にさせられたり、色々大変だったようだ。


 この友人は、地元企業に顔がきくし、学生時代は刑法ゼミで刑事政策を学んでいたので、今は民生委員として、元受刑者の更生に励んでいる。


 このように昔は、預金集めが銀行員のスタートだったので、よく銀行員が預金のセールスに来たり、預金してくれと電話がかかってきたものだが、バブル経済がはじけてからは、預金は負債だとして、セールスしなくなった。ゆうちょ銀行は、今でも貯金してくれと電話がかかってくるが、私は貧乏だっちゅうねん!苦笑


 さて、地銀の預金が減っているそうだ。都会に住む子供が相続した親の預金を都会の銀行へ預け替えするかららしい。


 地銀の預金減少は、地方の衰退につながる。そこで、「ふるさと応援定期預金」があるそうだ。


 だが、このように逆境に喘ぐ時代だからこそ、地銀には、bankerとしての本来の役割を果たす機会が到来しているとも言える。

 今朝のNHKのニュースでやっていたが、地銀を軸にIT企業・シンクタンクがタッグを組んで地元企業をバックアップする試みが広がりつつあるようだ。

 これこそ若き日の友人が夢見たbankerの姿ではないかと思う。


 NHK おはBiz 「人口減少に挑む地銀 」25.01.28(火) キーワード: AI・テクノロジー  企業戦略  暮らしの経済  地方創生

 記事のリンクを貼ると、なぜかリンク切れになるので、トップページのリンクを貼っておく。

 自治体も、これを見習い、地銀等とタッグを組んで地域振興を図る試みをすると、面白いのではないか。

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