節分に食べるのは年越し蕎麦

 節分に恵方巻きを食べるのが日本の伝統であるかのような嘘が罷り通っている。恵方巻きなんて、私が子供の頃にはなかった。

 大阪の海苔業者が海苔の販促のために始めたのが恵方巻きだ。本格的に有名になったのは、1980年代の終わり頃だったと思うが、セブンイレブンが恵方巻きを大々的に販売したのがきっかけだ。

 そもそも海苔巻き・太巻を切らずに齧り付くと、噛み切りにくいし、歯形が残って汚い。こんな下品な食べ方を日本の伝統だと実しやかにテレビで言うものだから、馬鹿が真に受けるのだ。


 以前、旧暦・太陰暦について述べたことがある。

 立春は、旧暦の正月の元日で、その前日である節分は、旧暦の大晦日(おおみそか)だ。したがって、節分に食べるのは、昔から年越し蕎麦なのだ。「福は内、鬼は外」と豆まきを節分にするのも、同じ理由による。新年を迎える行事なのだ。

 今は、太陽暦なので、12月31日に年越し蕎麦を食べるようになったので、節分に食べる年越し蕎麦のことを「節分蕎麦」と呼ぶ人もいる。

 テレビで恵方巻きを話題にしているのを見ると、こんな日本の常識すらも失われてしまったのかと情けなくなる。


 



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