請願をめぐる珍事

 愛知県の扶桑町議会の委員会で請願を不採択と決まり、本会議でも不採択になるはずだったのに、議会事務局が、請願の不採択が3年ぶりだったため、採択する場合のシナリオを議長に誤って渡してしまった。


 町議会の会議規則は、原案に賛成の立場の町議を起立させるよう定めているので、請願の採択を求める町議の起立を促す進行が必要だったのだが、議長は、シナリオ通りに、「報告(委員会の結果)の通り決することに賛成の方の起立を求めます」と述べてしまった。


 請願の紹介者で「採択」を求めていた町議1人が、間違いに気付いて、請願を採択させるため、とっさに機転を利かせて、起立し、残る町議14人は、勘違いに気付かずに座ったままだった。その結果、請願が採択されてしまった。


 ところが、勘違いに気付かない議長は、「不採択とすることに決定しました」と宣言し、そのまま閉会してしまった。つまり、議員が表明した賛否と議長の宣言が矛盾しており、違法無効な議決になってしまったわけだ。


 そこで、町長が再議を求め、議会は、臨時会を開いて再議決するそうだ。

 私は、おっちょこちょいで、うっかりミスをよくする。このブログでも、しょっちゅう入力ミスや変換ミスをするので、他人を責める資格がないけれども、仕事については、ミスは許されず、ミスを認めて謝罪するとともに、是正しなければならない。

 扶桑町議会のミスに誰かが気が付いて、是正されることになったのは、不幸中の幸いだった。


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