伊東市の田久保市長の経歴詐称疑惑が連日報道されている。往生際が悪く、恥知らずである一方、代理人である弁護士さんは、クライアントの意向に沿った法的助言をしていると思われ、その意味では優秀だが、大所高所から見たら、クライアントのためになっているかどうかは疑問だ。
これ以上、コメントする気が起きない。
この点に関連して、卒業証書及び成績証明書並びに卒業証明書の偽造をビジネスにしている中国人業者がいるらしい。
下記の記事によると、「卒業証書と成績証明書はセットで16万円、卒業証明書は別途8万円」だそうで、国内外の名門大学の精巧な卒業証書等の写真が広告掲載されている。
紙幣ですら偽造されるのだから、偽造対策が十分に施されていない卒業証書等が容易に偽造されるのは当然だといえる。
公文書偽造罪等の規定は、国外犯にも適用されるが、私文書偽造罪等の規定は、国外犯に適用されないことになっている(刑法第2条第5号)。私文書偽造罪等の規定も、国外犯に適用できるよう改正すべきだろう。
問題なのは、「欧米では学歴詐称や経歴詐称を防止するため、経歴照会や身辺調査を専門に行なう業者が多数存在するが、日本では個人情報保護法の観点やコスト面から欧米レベルのチェックは難しく、偽造書類が使用されても、発覚しにくい懸念がある」という点だ。
偽造の卒業証書等を使用して、日本の官公署や民間企業に入り込んでいる者が少なからずいるかもしれない。
かなり昔、市役所の人事課職員さんたちにお訊ねしたら、採用試験の願書が届いた段階ですべての受験生の経歴照会を行なっているところもあれば、最終合格者に対して経歴照会を行なっているところもあるなど、採用選考過程のどの段階で経歴照会をするかに違いはあれど、多くの市役所が経歴照会を行なっていたので、安堵した覚えがある。
ただ、性善説に立って、嘘偽りではない旨の念書を提出させるにとどめ、経歴照会をしていない市役所もあった。
個人情報保護も大切だが、経歴詐称は許されない。しっかりと調査を行なっていただきたい。
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