「国技」があるんだから、「市技」があったっていいじゃないか!ということで、地域振興も兼ねて「市技」を条例で定めようとしているのだろう。
下記の記事によると、尾道市が「市技」を条例化している(cf.1)とあるが、調べてみたら、これよりも古い昭和45年に北海道の深川市教育委員会が「市技」を定めている(cf.2)。
ただ、「市技」という言葉は、国語辞典に載っていない。造語だ。定義規定を置くべきだろう。
ちなみに、「国技」を定めた法令はない。現在、我が国の「国技」と言えば、相撲だと言われることが多いが、江戸時代には武士の間で囲碁が国技と呼ばれていたそうだ。
こういうものは、先に言った者勝ちだ。例えば、昔、西宮市役所の職員研修でも話したのだが、西宮市には甲子園球場という全国的に有名なコンテンツがあるのに、「書道甲子園」、「俳句甲子園」、「まんが甲子園」、「ダンス甲子園」等、他の自治体に取られてしまったという前例がある。「市技」も、他の自治体に先んじて条例化し、マスコミに取り上げられたら、他の自治体は追随できなくなるだろうから、「市技」の条例化競争が始まるかも知れない。
cf.1尾道市の市技を定める条例( 平成17年12月21日 条例第246号 )
本市の代表的伝統文化である囲碁の継承・発展に努め、地域文化の創造と振興に資するため、囲碁を市技に定める。
cf.2深川市技 (昭和45年2月4日 教育委員会制定)
深川市技を次のとおり制定する。
バレーボール
卓球
cf.3長井市けん玉を市技に定める条例(令和2年10月1日長井市条例第33号)
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