もうすぐ4月1日。最近、「ピカピカの1年生♪」というコマーシャルを見かけなくなったなぁ〜。
小学校1年生の算数の時間に、時計の読み方を習った記憶がある。担任の先生が教卓の上に直径30cmぐらいの時計の模型を置いて、教えて下さった(ご存命なのだろうか…)。
小学校入学前に、すでに家庭でいつの間にか時計の読み方を習っていたので、授業の内容はあまり覚えていないが、当時の1年生は、映画に出てくるような戦前の古い木造校舎で、机も椅子も年季が入った木製だったことは覚えている。戦前と異なるのは、床や廊下がワックス掛けだったことだ。白い上履きがすぐに油で黒く汚れるのが嫌だった。昔のように雑巾掛けすればいいのにと思ったものだ。
さて、ここで問題です。
Q. 先生が生徒たちに「明日の遠足は、朝9時10分前に、校庭に集合です。」とおっしゃった。正しい理解は、どれでしょうか?
A 朝8時50分集合
B 朝9時10分の数分前(ex.朝9時8分など)に集合
正解は、Aだ。「お前、馬鹿にしているのか!」という罵詈雑言メールが来そうで、怖いが、決して馬鹿にしているわけではない。出題にはちゃんと意図がある。NHKの調査によると、若い世代になるほど、Bが正解だと考える人が増える傾向にあるからだ。
学力低下が叫ばれて久しいが、この問題を間違えたら、社会生活に支障をきたすので(遠足の集合時間に20分弱も遅刻した生徒を待って下さる先生はおられまい。社会人だったら、叱責されても文句は言えまい。)、ちゃんと教育して欲しいものだ。
う〜ん、国語の豊かな表現が貧困化するようで納得できないが、今後は誤解を防ぐために、住民向けの広報等については、極力「朝9時10分前」という表現を避けて、端的に「朝8時50分」と表現するようにするのが望ましいのかも知れない。
では、ここで問題です。
Q. 豊島区短期特例保育実施要綱第5条ただし書の「午前8時30分前の1時間15分…の間」とは、どのような意味でしょうか?
A 午前7時30分から1時間15分の間=午前7時30分から午前8時45分までの間
B 午前8時30分の数分前から遡(さかのぼ)って1時間15分の間=午前7時15分の数分前(ex.午前7時13分など)から午前8時30分の数分前(ex.午前8時28分など)までの間
cf.豊島区短期特例保育実施要綱 (令和元年11月1日 子ども家庭部長決定 制定)
(保育時間)
第5条 保育時間は、午前8時30分から午後5時までとする。ただし、区長が特別の事情があると認めたときは、午前8時30分前の1時間15分及び午後5時後の3時間の間において、保育時間を延長することができる。
前述した「朝9時10分前」と同様に、日常用語の用法に従って考えると、「午前8時30分前」は「午前7時30分」を意味するから、正解はAということになりそうだが、果たしてそうなのだろうか。
この要綱を作成された職員さんは、「午前8時30分前」を日常用語の用法ではなく、法令用語の用法に従って用いているような気がするからだ。
すなわち、法令用語の「前」は、基準時を含まないから、例えば、「4月5日前」は、4月5日を含まないでそれよりも前の時間的広がりを表す。
同要綱第5条本文は、原則として、「保育時間は、午前8時30分から午後5時までとする。」と定めていること及び同条ただし書が「午後5時後の3時間の間」と定めていることを考慮に入れると、例外規定である同条ただし書の「午前8時30分前」というのは、日常用語の用法に従って「午前7時30分」を意味するのではなく、法令用語の用法に従って「午前8時30分を含まないでそれよりも前の時間的広がり」を表していると考えられるのだ。
そうだとすれば、正解はBということになるが、いずれにせよ、誤解を招く表現であることには間違いない。端的に「午前7時15分から午前8時30分までの間」と表記すれば足りるのではなかろうか。
「◯時◯分前」という表現を条文に用いると、日常用語の用法と法令用語の用法で意味が異なり、誤解を招くので、このような表現を用いないようにすることが肝要だと思う。
時間と言えば、「9 to 5」 (9時から5時まで)という曲には、2つある。いずれも1980年に大ヒットした曲で、紛らわしい。
コメディー映画『9時から5時まで』(1980年)の主題歌で、Dolly Partonドリー・パートンの9 To 5
OL3人が男性上司をとっちめるお話で、面白かった。
Sheena Eastonシーナ・イーストンの9 to 5(Morning Train)
恋する女性の心情を歌っている。
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