「厳重注意」?

 以前、このブログに書いた和歌山県が発注した「八郎山トンネル」手抜き工事事件の続報が入ってきた。

 悪いのは受注業者なのだが、下記の記事によると、「県ではトンネル工事の際にコンクリートの厚さを検査するよう定めています。その検査は、工事の進捗に応じて業者側から県への要請に基づいて行われるもので、計136回の検査が必要でしたが大幅に下回る6回しか行われていなかったということです。」とある。担当の県庁職員が定められた通りに検査を行なっていれば、手抜き工事を防ぐことができたはずだから、担当の県庁職員も悪い。もし手抜き工事が発覚せずにトンネルが供用され、事故が起きたら、どうするのか。人命を軽視していると言わざるを得ない。

 担当の県庁職員は、県に対する信用を失墜させるのみならず、トンネルの供用が大幅に遅れ、県民にも迷惑をかけているにもかかわらず、「2月20日、和歌山県は管轄の県土整備部長ら同部ら計6人について、組織として適切な指導体制となっていなかったことなどから、厳重注意としたと発表しました。」という。


 「厳重注意」は、懲戒処分ではない。これほどの大失態を招きながら、どうして懲戒処分ではないのか。

 何か特別の事情があり、情状酌量の余地があるというのであれば、きちんと納得のいく説明をすべきだし、マスコミもきちんと取材すべきだ。

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