すぐにできること

 兵庫県知事の疑惑報道が加熱している。


 告発文の全文を探したら、Xにあったので、備忘録としてリンクを貼っておく。


 私には事実を確認する術がないので、コメントを差し控えるが、知事さんは、記者会見で「県政を前に進めることが責務」だと続投を表明し、改めて辞職を否定しておられる。

 繰り返し「県政を前に進める」とおっしゃっているのだが、報道を見る限りでは具体案が出てこない。


 そこで、今すぐにでも簡単に「県政を前に進める」方法が一つあるので、書いておこうと思う。

それは、「兵庫県職員公益通報制度」を県庁から独立した第三者委員会組織に改善することだ。


 兵庫県の例規集で検索をかけたのだが、ヒットしなかったので、現行の「兵庫県職員公益通報制度」は、条例に基づく制度ではなく、内規(おそらく訓令又は訓令の一種である要綱)で定められたものだと考えられる。

 それ故、知事さんが改善しようと思えば、今すぐにでも改善できるわけだ。


 現行の「兵庫県職員公益通報制度」の問題点は、県庁から独立しておらず、中立性・公平性が十分に確保できていない点だ。

 

 確かに、現行の「兵庫県職員公益通報制度」は、専用の受付窓口を設置し、公益通報相談員(本庁職員相談員)を置き、秘密を守ること、通報者が不利益を受けることがないよう事案の処理にあたっては十分留意すること、実名・匿名問わず通報を受け付けることなどが定められている。

 また、是正措置等の対応が必要な場合は、弁護士等外部の有識者の参画を得て設置する「公益通報委員会」に意見を聴取したうえで、是正措置等の対応について決定することになっている。


 しかし、この「公益通報相談員」は、おそらく県庁の職員だろう。独立性・中立性・公平性が確保されておらず、通常考えられないことだが、公益通報を握りつぶすことが可能な仕組みになっている。

 しかも、この「公益通報委員会」の委員5名の中に、副知事が入っているのだ。そして、この「公益通報委員会」の事務局は、財務部県政改革課(企画運営班)とされている。

 県政に精通した副知事を「公益通報委員会」に入れておかないと、是正措置等の対応を具体的に検討できないからだと思われるが、この仕組みだと、例えば、副知事が公益通報の対象である場合には、中立性・公平性を確保できない。


 兵庫県に限らず、どこの自治体の職員公益通報制度も同じ問題点を抱えているので、全国に先駆けてこの点を改善すれば、「県政を前に進める」ことになろう。

 多少時間がかかるが、職員公益通報制度を条例化すれば(おそらくどこの自治体も条例化していないはずだ。)、さらに「県政を前に進める」ことになろう。

源法律研修所

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