衆院選東京1区で落選した日本維新の会の音喜多駿氏は、国民民主党代表の玉木雄一郎氏の不倫謝罪について、「本質的には玉木さんに怒って良いのは家族だけ」と述べたそうだ。
ワイドショーのコメンテーターも、同種のコメントをよくする。
しかし、道徳は、家庭内のルールではなく、社会のルールである。社会秩序を維持するためのルールが道徳であって、不貞行為は、反道徳的行為である以上、不貞行為を行なった者が、社会秩序・規律を乱し、社会に脅威を与えた者として、社会的制裁(ex.非難、軽蔑)を受けるのは当然であって、これは、決して家庭内の問題にとどまるものではないのだ。不貞行為を行なった者が国会議員かどうかは、関係ない。
もし不貞行為が家庭内の問題にすぎず、他人が非難すべきではないということになれば、反道徳的行為を黙認せねばならず、その結果、道徳が破壊され、社会秩序・規律が乱れてしまうからだ。
反道徳的行為を行なった者に対して、道義的責任を追及し、社会的制裁を加えることによって、社会秩序・規律が回復するとともに、反道徳的行為を抑止することにつながるのだ。
このような社会のルール・仕組みの初歩すら分からない軽佻浮薄な連中が政治家やコメンテーターをやっているのだから、世の中が乱れるのは当然かも知れない。
今調べてみたら、音喜多氏は、早稲田大学政治経済学部政治学科卒だった。学生時代に何を学んでいたのやら。
音喜多氏は、サウナへのスマホの持ち込みや撮影が禁止されているのに、自らの局部が写った不適切画像をSNSに投稿するなど、これまでも何度も謝罪をしているが、道徳が家庭内のルールではなく、社会のルールであることすら理解していない以上、その謝罪も、真意に基づくものか、単なる政治的パフォーマンスにすぎないのか、怪しくなる。
この連中にも分かるように、もう少し附言すると、人間は、社会生活を営まざるを得ない動物だから、仲良く暮らせばよいのだが、人々の考え方等が様々なので、紛争が絶えない。
そこで、人間社会には、社会秩序を維持するために人間が従うべきルールがある。その代表が法と道徳だ。
法は、社会秩序を維持するための最低限度のルールであり、違反者に対しては国や地方公共団体が強制(ex.刑罰、強制執行)を加え得る点で、道徳と異なる。
夫婦の一方が配偶者以外の人と不貞行為をしても、処罰規定がないので、刑法上は違法ではなく、刑罰を科されることはないが、不貞行為が反道徳的行為であることには変わりがないので、民法上は違法とされ、他方の配偶者は、不貞行為を理由に裁判上の離婚を請求することができるし(民法第770条第1項第1号)、又、不貞をした配偶者及びその相手方に慰謝料を請求することができる(民法第709条)。
このような法的責任とは別に、不貞行為を行なった者は、反道徳的行為を行なった以上、社会から道義的責任を追及され、非難されたり軽蔑されたりするなど、社会的制裁を受け、その結果、一夫一婦制が守られることになる。
なお、不倫については、以前述べた。
<追記>
玉木氏の不倫問題が「アホ・バカ発見器?」の様相を呈してきた。私が知らない連中がいるが、記事になるということは、それだけ社会的影響力のある人なのだろう。日本の将来が危ぶまれる。
小説家でタレントの室井佑月氏が「不倫。謝れ、謝り方が足りないと、大騒ぎする人が出てくるかもだけど、基本、当事者たちだけの話だと思う。他人の下半身事情に、みんな興味もちすぎよ」と述べたそうだ。
大阪市議会議員の佐々木りえ氏は、「不倫を肯定しませんが、不倫で謝罪会見って必要なんですかね? 不倫は当人たちの責任であり、家族の問題で、他人が立ち入る領域ではないと思いますが。 こういう文化、本当やめたらいいと思う。 国民の期待を裏切ったと言われますが、すべて含めて選挙で有権者にご判断いただくのが政治家だと思います。」と述べている。
参議院議員の齊藤健一郎氏は、「不倫くらいいくらでもした事ある。当事者間の問題であり、他人がとやかく言うのは格好悪い」と述べたそうだ。
弁護士の橋下徹氏は、玉木氏の不倫相手とされる元グラドルでタレントの小泉みゆき氏について、高松市が事実を確認中で観光大使解任も含めて検討していることに対して、「これはアカン。玉木さんが引き続き国会議員を続けて国民民主党の代表を続けるなら、玉木さんと国民民主党は、玉木さんの相手女性の職を全力で守らなあかん」と述べたそうだ。
橋下氏は、「玉木さんと国民民主党は、玉木さんの相手女性の職を全力で守らなあかん」と言うのだが、弁護士なのに、個人責任の原則を知らぬようだ。玉木氏と小泉氏は別人格なので、それぞれ別個に道義的責任を追及されるべきなのだ。
「高松市観光大使」を解任するかどうかは、高松市が自主的に決めるべき問題であって、国会議員たる玉木氏と国政政党である国民民主党がこの問題に不当に介入し圧力を加えることは、地方自治の本旨たる団体自治を危殆に晒すことも、分からぬようだ。本当に弁護士なのか。
橋下氏は、大阪府知事・大阪市長を務めながら、「高松市観光大使」が無報酬のボランティアにすぎないことも知らぬようだ。
さらに橋下氏は、「持論として、不倫問題はプライベートな問題として、家庭内と相手女性の間でしっかり解決を図ってもらえるのであれば、仕事はしっかりやってもらいたい」と述べたそうだ。
元衆院議員、元宮崎県知事の東国原英夫氏は、「不倫というのは妻、当事者、相手方等々が許せば、他者がどうのこうのいう立場ではない。これが公人でも通用するとなると、社会の空気が変わるんですね」と述べたそうだ。
国民民主党の榛葉幹事長は、「プライベートの問題はしっかりと家族で話し合ってけじめをつけ、政策実現に全力を傾けてほしい」と述べたそうだ。
漫画家の倉田真由美氏は、「政治家の不倫スキャンダルが話題だが、利権絡みの金銭問題などとは違い完全にプライベートのアホ行為でしかないので、そういうのは周囲の人間がとやかくいうのではなく家庭で痛い目にあえばよい、としか思わない」と述べたそうだ。
国民民主党の伊藤孝恵参院議員は、「自分の一番近くにいる人を裏切り、悲傷の渦中に突き落とした者は相応の制裁を受けるべきです」「しかし同時に…それを下せるのは宇宙でたった1人だけ、妻だけだとも思います」と述べたそうだ。
タレント小原ブラス氏は、「Xでこのたび、こういう不倫で私生活のことを見てご不快な思いをさせたすべての方に謝りますみたいなん、言うてたけど。人が不倫したことで不快になってるやつって何なん?」「奥さんが不快になったとかね。関係者が不快になるのは分かるけど。これを見て不快な思いをするやつ、どうやって生きてるの? 街に出たらクソみたいなやつが山ほどいるんだけど、いちいち不快になって生きてるの?」「不快にならない力もつけないとね、みんな」と述べたそうだ。
タレント武井壮氏は、「不倫不倫うるせえなあもう 馬鹿みたいに人の性行為だの交際だの追っかけてよ。。」「あのさ、不倫の被害者は『不貞行為をされた配偶者と子供』だけですよ 不貞行為をした当事者が『傷付いた』とか聞いて呆れるわ どのツラ下げてとはこの事ですよ しかもその内容ペラペラ喋って、相手方の家族に2次被害与えて苦しめて、それを誇らしげにスクープだ、みたいなメディアもなんなんだよいったい。。」と述べたそうだ。
故松田優作さんの長女でタレントの松田ゆう姫氏は、「正直私はどっちでもいいという感じ。不倫問題自体が。完全にプライベートのことだから、私たちには関係ないことじゃないですか。とにかく政策をやってほしいと思ったけど」と述べたそうだ。
元国民民主党衆議院議員で弁護士の菅野志桜里氏は、「政治家のプライベートを進退に直結させると、『そして誰もいなくなった』になってしまうから、政策実現・政治改革のためにも、玉木さん辞任とならなくてよかったと思っています」と述べたそうだ。
「NHKから国民を守る党」の党首立花孝志氏は、「不倫している人は、能力が高く、己の恋愛感情に素直に従っている、正直な人なのです!そして、罪悪感があるから、配偶者を大切にするのです!不倫は神様が作った自然の摂理!」「ネットは、不倫くらい許してあげようよ!って感じです!」と述べたそうだ。
不倫を許すと、一夫一婦制、家庭が崩壊し、道徳的退廃が生まれ、社会秩序が乱れるのだが、「両親がほとんど家におらず、父親も母親も不倫していて、いつも浮気相手と一緒にいたという家庭で育った」立花氏は、自身の幼少時代の体験から何も学んでいないようだ。
歌手の和田アキ子氏は、「認めてらっしゃるし、ご本人が。後は夫婦の問題で、とやかく言うことじゃない」と述べたそうだ。
危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、「不倫を責める権利があるのは、された側の配偶者や子供だけ。不倫がバレると責任感のなさが露呈することは免られませんが、他人に責める権利は確かにありません」と述べたそうだ。
<追記>
2006年10月07日、玉木代表は、自身のブログで、
***
「政党とは何か。」
同じ政治理念、政策を共有する集団ということでしょうが、私は、それ以前に、一定のクオリティ(品質)を満たした人の集団であるべきだと思います。
これは、弁護士や会計士などのように一定の資格試験をクリアーすることを条件にするというよりも、
「絶対に、不正をしない。」
「絶対に、不倫をしない。」
などというように、そもそも政治家として有権者信頼に耐えうる集団であることを、自信をもって約束できる集団であるべきだと思います。
何も聖人君子である必要はありませんが、より高い倫理観を持った人の集団であるべきだと思います。
***
と述べていた(太字:久保)。
言行不一致。見事なまでの特大ブーメラン。
それにしても、「絶対に、不正をしない。」 は、一般人として当たり前であるし、「絶対に、不倫をしない。」ことは、既婚者に当然求められる最低限の倫理であり義務でもあるのに(民法第770条第1項第1号)、これが「より高い倫理観を持った人」だというわけだから、玉木代表の言う「政党」の「一定のクオリティ(品質)」が如何にレベルの低いことかがよく分かる。
しかも、自分たちは「より高い倫理観を持った人」だと自負して、他の政党の政治家などを見下しているわけで、お勉強しか能がない軽佻浮薄な玉木代表の偏執的エリート意識が読み取れる。
悲しいかな、所詮は成り上がり。驕れるものは久しからず。身から出た錆とはいえ、哀れな恥知らずだ。
<追記>
真偽の程はわからないが、玉木代表の弟の疑惑が浮上している。これが事実だとしたら、息子たちをろくでなしの恥知らずに育てた親の顔を見てみたいものだが、育ちが悪くても、成人したら、自己責任だ。いくらでも改める機会があったからだ。
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