労働者の権利を守れと主張しながら、ワーキングプワーを生み出す政党の二枚舌 <追記>

 昔、公務員試験予備校の講師をしているときに、模擬面接の面接官役としてタッグを何度か組んだことがある某講師が、某左翼政党の某都道府県の副幹事長(現在は、中央規律委員)をしていたので、休憩時間に訊いてみたら、党から一円も貰わずに街頭演説等の政治活動をしていると言うので、驚いたことがある。

 まあ、形式的に見れば、己の意思に基づいて、己の政治的信条・主義に従って政治活動をしているのであって、これは、労働ではないから、労働の対価が支払われないのは当然だと思う一方で、実質的には労働であって、やる気・善意の搾取でもあるよなぁ〜と思った。

 本人が好きでやっていることだから、批判めいたことは言わなかったが、講師の報酬だけでは到底生活できないので、スーパーの棚卸しのバイトを掛け持ちしながら、政治活動の費用を工面しており、「よ〜やるわ〜」となかば呆れるとともに、カルト宗教である社会主義に洗脳されなければ違う人生を歩んだろうにと哀れに思った。本人からすれば、大きなお世話だろうが。

 まあ、本人は、他方で、アイドルの追っかけをしていて、人生を謳歌しているけどね。


 この点、日本共産党の専従職員も、似たような境遇に置かれているようだ。



 このような日本共産党の主張に対しては、下記の記事にあるような批判が寄せられている。

 上記記事に出てくる「過去の裁判」というのは、名古屋地決昭52.11.20労働民例集29巻5・6合併号742頁/時報927号242頁/タイムズ378号74頁(共産党事件)だ。

 「以上に認定した事実によれば、県勤務員は、自発的献身的に党活動に専従する政党の常任活動家であり、県常任委員の指揮命令を受けるというよりは、県常任委員を補佐し、これに協力して執行機関である県常任委員会を構成し、全県党の指導活動並びに一般党務に従事する者であり、勤務場所、勤務時間の拘束はなく、欠勤控除もないかわりに、時間外割増賃金、有給休暇の定めもないというのであるから、以上のような県勤務員の勤務の実態に即して考えると、県勤務員に対する給与は、党務に専従するための活動費であり、生活補償費の意味合も含まれてはいるが、労務の提供と対価関係にあるとは認められず、従属労働性の度合は稀薄であり、県勤務員と被申請人県委員会との法律関係は、労基法の適用を受ける雇用契約関係にあると目することは困難であって、寧ろ、県常任委員と同様に委任契約ないしこれに類似する法律関係と認めるのが相当である。」

 この「過去の裁判」がお墨付きとなって、日本共産党の専従職員は、下記の待遇なのだろう。

「Q8 専従職員の給与レベルは… 

 A8 筆者が党から除籍される前の数年間、党中央委員会職員の平均的な年間給与は税込で400万円くらい。30歳未満は200〜250万円前後で生活的に楽じゃなかったです。しかし、地方の党機関は低い給与すら遅配、欠配が多く、家族の収入をあてにしなくては自活すらできないのが実態でした。党地方機関は独立採算制で、数は少ないのですが財政状況のよい党機関の職員給与が他よりよいこともあります。例えば「赤旗」部数が多く、公務員や大企業サラリーマンの党員がいて党費収入が多い東京都委員会の職員給与は、中央委員会より月当たりで数万円くらい高いのですよ。まあ、「赤い貴族」の不破さんの破格の収入と比べたらお話にもならないですが…。」

 「残業・休日出勤等の手当は支給されたことがありません。事務所の宿直時だけわずかに支給されていたと記憶しています。」


 「Q5 共産党職員の給与は平等じゃないんですか。不破さんはなぜ豪邸に住んでいられるのですか

  A5 「日本共産党の謎」の筆頭が最大のカリスマ=前議長の不破哲三氏の、神奈川・津久井湖近くにある敷地千坪の豪華山荘暮らしですね。不破氏も党本部職員になる前の新婚時代(半世紀以上前)は、都営団地に住んでいた薄給のプロレタリアート(無産階級)状態で、どうやって蓄財したのか想像もつかないでしょう。

  秘密は二つ。一つは、党の一般職員と幹部の給与格差です。党中央の頂点に近い常任幹部会委員になると年収で最低1000万円以上が保証され、中央委員以上の医療費自己負担分は「党幹部の保全のため」との趣旨で党中央財政部が支払ってくれます。若い職員が「ワーキングプア」並みの薄給、地方の党職員は遅配欠配がザラであることを考えると破格の待遇です。 

 もう一つは著書の印税。「実績と能力がある」中央幹部は著作を出版し、印税は個人で受け取れます。党内には「幹部の印税は中央財政に繰り入れられる」と説明していますが、ウソ。不破氏の著書は党機関紙「赤旗」でどんどんタダで宣伝し、党員に購買を煽る一方、少ない一刷分の印税を党に寄付したら、二刷分以降の印税はすべて著者の懐に入ります。筆者の調べでは現職衆議院議員時の不破氏の印税収入は年間900〜1500万円!(資産報告書の閲覧による)。最近も著書刊行は盛んですから、かなりあるでしょう。日常生活のために党職員が常時5名、不破家に宿泊体制で配置され、運転手付き乗用車や洗濯・炊事まで不破夫妻の暮らしは党丸抱えです。この上、高額給与と印税を手にすれば、暮らしは富裕層並み。もっとも不破氏のカリスマ性あってのことで、志位委員長のお宅は公団分譲マンションですよ。」

<追記>

 思い出したことがある。以前、日本共産党書記局長小池晃氏が日本共産党本部の食堂の日替わりランチ「ステーキランチ」480円を食べているところを、NHKが報道していた。

 末端の党員は、食堂はおろか図書室も使えないそうだ。

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