備えあれば憂いなし

 以前、このブログに書いたように(どこに書いたか、忘れた。苦笑)、災害関連死かどうかは、法律問題だから、医師よりも法律家、特に実務で事実認定をすることが不可欠な弁護士が最適だ。


 しかしながら、地方では弁護士不足が深刻になっている。

 NHKが、「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」に指定されている千葉県から鹿児島県にかけての14都県の139の市町村に、審査会の規定の有無について、問い合わせたところ、139市町村のうち、51%にあたる71の市町村で、審査会の設置に関する条例などを設けていないことが判明した。

 審査会規定がない理由(複数回答可)

▽知識やノウハウ不足…73% 

▽職員の不足…59% 

▽関係部署と協議ができていない…46%

▽専門家など審査会の担い手不足…37% 

▽優先度が低い…30%

 審査会の設置は、努力義務であるから、審査会を設置していないことは、違法ではないが、災害関連死の認定が遅延する可能性が高い。

 市町村単位で一定数の弁護士を確保することは、困難であると思われるので、県が音頭を取って、弁護士会との連携をとりながら、「南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域」の市町村に審査会の共同設置(地方自治法第252条の7、第252条の13)や県への事務委託(地方自治法第252条の14)などの共同処理を推し進めるのが無難だろう。



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