ここが変だよ世界史教科書 1

 小中学校の頃は、日本史に夢中になったので、高校では世界史を選択した。大学入試に不利だからやめろと言われたが、世界に目を転じたかったのだ。  

 歴史好きだから、面白いと言えば面白いのだが、暗記すべき事物の量が多いだけでなく、次から次へと疑問が浮かぶのに、教科書や参考書がこれに答えてくれないので、モヤモヤした。  

 このモヤモヤを解消するため、読書遍歴を続けたが、特にモンゴル史が専門の京都大学教授杉山正明『遊牧民から見た世界史』(日本経済新聞社)を20年ほど前に読んで目から鱗が落ちた。お蔭で教科書自体がバイアスがかかっていて変だということに気付いた。モヤモヤの原因は、バイアスだったのだ。  

 変なところを挙げ出したら、キリがないので、とりあえず支那史について、思いつくままに書いてみようと思う(敬称略)。


1 「中国」では変だよ

 以前、このブログでも述べたが、1981年、コピーライターの糸井重里がインスタントラーメン「中華三昧」のCMのキャッチコピーとして考え出したのが「中国四千年の味」だ。  

 以来、日本では、「中国には四千年の歴史がある」と誤解され続けている。そのためか、最近では、中国政府も四千年の歴史があると言うようになった。


 しかし、「中国」というのは、中華人民共和国の略称だ。中華人民共和国が建国されたのは、戦後の1949年10月1日だから、今年で76年の歴史しかないのだ。  

 「中国の歴史」と表記すると、中華人民共和国76年の歴史という意味になる。


 ところが、例えば、高校の世界史教科書を一般読者のために書き改めた『もういちど読む山川世界史』(山川出版社)の目次を見ると、「第Ⅰ部 古代」の「第1章 古代の世界」には、「6 中国古代統一国家の成立」とある(太字:久保)。  

 同じく「第Ⅱ部 中世」の「第2章 東アジア世界」には、「1 中国貴族社会の成立」・「3 中国社会の新展開」とある(太字:久保)。


 古代にも中世にも、中華人民共和国は存在しないのに、「中国」と表記しているのは、明白に事実に反し、不適切だ。  

 いったい誰に阿(おもね)り、忖度(そんたく)しているのやら?


 国の興亡が目まぐるしいのだから、「中国」という中華人民共和国の略称ではなく、江戸時代中期から用いられているchinaの地理的呼称である「支那」(シナ)を用いるのが適切だ。  

 それ故、ここでは「中国の歴史」ではなく、「支那の歴史」と呼称することにする。

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