ここが変だよ世界史教科書 2

2 「中華」では変だよ

  前掲『もういちど読む山川世界史』の「第Ⅱ部 中世」の「第2章 東アジア世界」には、「5 中華帝国の繁栄」とあり(太字:久保)、明と清の歴史を採り上げている。


 中華思想(華夷思想)というのは、漢民族こそが文明(=華)の「中心」であり、その「外」にいる「周辺」異民族は、「夷狄」(いてき。野蛮人の意)であるという漢民族優越主義・漢民族中心主義をいう。  

 夷狄は、漢民族を中心にして東西南北によって、東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)、南蛮(なんばん)、北狄(ほくてき)と呼ばれた。日本人は、東夷に含まれる。夷は、弓を射るのが上手いという意味だ。


 この中華思想は、漢民族の劣等感の裏返しなのだ。後述するように、支那は、北方遊牧民族にたびたび支配されたので、「支配者」である北方遊牧民族を「夷狄」だと蔑(さげす)むことで、溜飲を下げ、プライドを維持しようとしたのだ。  

 この点は、朝鮮も同じだ。支那の歴代王朝に冊封(さくほう)され、支那の属国だった朝鮮も、漢民族の王朝であった明国が滅んで、ツングース系満州女真族(じょしんぞく)の王朝である清国に服属した二重の劣等感から、清国は漢民族ではないので、儒教の正統性を継承したのは朝鮮であり、清国や日本などの周辺国は夷狄だとして優越感を抱くことで、コンプレックスを解消しようとした。これを「小中華思想」という。


 外交の場面において、正式名称である「中華人民共和国」(中国)や「中華民国」(台湾)を用いるのは、やむを得ないが、日本の歴史教科書で、「中華」を用いるべきではない。反日自虐史観の誹(そし)りを免れないからだ。

源法律研修所

自治体職員研修の専門機関「源法律研修所」の公式ホームページ