針小棒大 <追記>

 小さな針ほどのことを棒ほどに大きく言うことを「針小棒大」という。要するに、誇張することだ。


 下記の記事によると、「在日中国大使館は1日、X(旧ツイッター)に、過激派の中核派系の反戦デモを報じた中国国営中央テレビのニュース映像とともに「日本民衆が再び抗議活動を行い、高市(早苗)首相の誤った発言の撤回を要請」と投稿した」そうだ。

 「日本経済新聞社とテレビ東京は28〜30日に世論調査を実施した。高市早苗内閣の支持率は75%で10月の前回調査の74%から横ばいとなった」そうだから、中核派の意見は、少数派にすぎず、「日本民衆」の多数派意見を代弁しているわけではない。

 ちなみに、警察庁が中核派の機関紙等から引用している文章を一部抜粋しておく。

 「今や階級闘争の最大の焦点は戦争であり、革命的共産主義の党と労働者階級の基本的任務は、この帝国主義の戦争を革命的内乱に転化すること」

 「帝国主義 そのものを打倒する革命に向かって労働運動=反戦闘争を闘わなければならない。反戦闘争=反帝国主 義闘争が党の第一の任務である」

 「最後的には内乱に勝利するまで発 展する。革命に勝利するところにまで行き着くような闘いを、われわれは今から始める」

 「体制打倒まで闘う反戦闘争を」

 「広島から全世界に米日帝の中国侵略戦争阻止・核戦争阻止の闘いをとどろかせよう」

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 おそらく、帝国主義である米日による中国侵略戦争を阻止するとともに、帝国主義の戦争に乗じて日本で内乱を起こして自由資本主義体制を打倒し、共産主義革命を成就したいらしい。

 

 思想・良心の自由、表現の自由が保障されており、戦う民主主義が採られていないから、共産主義を信奉するのは自由だ。

 ただ、日本人の大多数は、中核派が日本人を支配する世界を望んでいないのだが、どうやらこれが理解できぬようだ。


 マルクスは、「宗教は民衆の阿片である」と言ったが、本当にその通りだと思う。

 マルクスは、『ヘーゲル法哲学批判序説』で、「人間が宗教をつくるのであって、宗教が人間をつくるのではない」、「この国家、この社会が、宗教という倒錯した世界意識をうみだすのは、この国家、この社会が倒錯した世界であるためである」などと述べた上で、「宗教は民衆の阿片である」と述べた。

 「宗教は民衆の阿片である」というのは、宗教が、民衆に諦めと慰めを説き、現実の不幸を改革するために立ち上がることを妨げているという意味なのだが、今では、宗教は、民衆の正常な感覚を麻痺させるものだという意味で用いられることが多い。

 マルクスは、認めないだろうが、共産主義も、後者の意味で宗教だと言える。


 マルクスは、「幻想のなかで民衆の幸福をあたえる宗教を廃棄することは、現実のうちに民衆の幸福を要求することである。自分の状態についての幻想をすてろと要求することは、幻想を必要とするような状態をすてろと要求することである。」と述べている。

 共産主義という宗教を廃棄して、日々の何気ない幸せを大切にしてほしいものだ。余計なお世話か。。。


<追記>

 社民党副党首のラサール石井こと石井 朗夫(いしい あきお)参議院議員が、上記産経新聞の記事を引用して、「連日国会前で行われている、市民や学生による『高市発言撤回』の集会は報じず、『過激派』とわざわざ書いて中核派のデモのみ報じる。デモは怖いものという印象操作。政府擁護の姿勢が露骨すぎる。いよいよ戦前の大本営発表に似てきたではないか」と述べたそうだ。

 ラサール石井氏は、コント赤信号、アニメ『こちら亀有公園前派出所』の主人公両津勘吉の声で活躍していたが、どうしてこんな風になったんだろう?


 「宗教は民衆の阿片である」は、名言だ。


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