2019.05.30 10:35図なのに別表とはこれ如何に? 某国で行われる国際観艦式に招待された海上自衛隊の艦船がいざ参加しようとしたら、旭日旗は戦犯旗であると難癖を付けられたため、その参加を見合わせた事件は、記憶に新しいのではないか。 この事件が起きた直後、自衛隊の旗は、法令上、どのように規定されているのだろうかと思って、調べてみた。 そうしたら、なんと自衛隊の旗(自衛隊旗及び自衛艦旗)は、明らかに図であって表ではないのに、「別表第一」と表記されていた!(自衛隊法施行令第一条の二第二項及び別表第一)。cf. 1自衛隊法施行令(昭和二十九年政令第百七十九号) 第二節 自衛隊の旗 (自衛隊旗を交付する自衛隊の部隊等) 第一条の二 自衛隊旗は、法第二条第二項に規定する陸上自衛隊(以下「陸上自衛隊」と...
2019.05.24 23:21〜することができる(〜スルコトヲ得) 職員研修に出講した際に気が付いたのであるが、条文上「〜することができる(〜スルコトヲ得)」と書いてあれば、するかしないかは自由だと誤解している職員さんが意外に多いように思われる。 確かに、条文上「〜することができる」とある以上、文字通りに解すれば、その権限を行使するかどうかは、行政庁の裁量に委ねられているから、行政庁がその権限を行使しないからといって直ちに違法になるわけではない。 しかし、その権限が付与された趣旨・目的に照らし、権限の不行使が著しく不合理と認められる場合には、権限の不行使自体は裁量権の範囲内であるが、裁量権を認めた法の趣旨・目的に反するので、裁量権の濫用として違法になるというのが判例である(裁量権の消極的濫用論を採った京都誠和住建事件...
2019.05.23 00:02法と権利生徒 先生、ちょっと質問があるのですが、よろしいでしょうか?老(law)先生 なんじゃね。生徒 先週の授業で、国民の権利利益の保護を目的とする訴訟を主観訴訟というのに対して、法秩序の維持を目的とする訴訟を客観訴訟といい、主観訴訟は、裁判所の本来の仕事(「法律上の争訟」)だが、客観訴訟は、裁判所本来の仕事ではなく、法律に特に定めがある場合に限って、例外的に裁判所の仕事になるんだ(裁判所法第3条第1項)と教えていただきました。老先生 うむ。平たく言えば、「代金を払ってくれないんだ!助けて!」・「借金を返してくれないんだ!助けて!」という風に、自分の権利利益が侵害され又は侵害されそうだから「ひどい!助けてくれ!」と訴えるのが主観訴訟で、「市役所が裏金をプール...
2019.05.19 07:09法令の「施行」の読み方としては、「しこう」、「せぎょう」又は「せこう」のいずれが正しいのか? 我が国に仏教と共に漢字がもたらされた際の音読みは、呉音(ごおん)であったが、その後、遣隋使・遣唐使が帰国して漢音がもたらされたことから、漢字の音読みが混乱した。 そこで、延暦11年(792年)、桓武天皇は、「勅。明経之徒、不可習呉音。発声誦読、既致訛謬。熟習漢音。」という漢音奨励の勅を出して、漢音で統一するよう努められた。 勅(ちょく)す。明経(めいけい)の徒(と)は、呉音を習うべからず。発声・誦読(しょうどく)は、すでに訛謬(かびゅう)に致(いた)せり。漢音を習熟せよ。(読み下し文:久保。) みことのりする。論語や孝経などの経書(けいしょ)を学ぶ者は、呉音を習ってはならない。発声や声を出して本を読むことが、(呉音によって)あやまりになってしまった。...