下記の毎日新聞の記事によると、「都道府県議会の本会議で議長や副議長が議員を指名する際、23議会が男女問わず呼称として「議員」を使っている」そうで、「ジェンダー平等や男女共同参画」が理由だそうだ。
記事にもあるように、国会では年齢、性別などを問わず、一律に「君」という敬称を使っているので、女性差別やジェンダー差別にはならない。
とすれば、「君」という敬称を使っていた都道府県議会も同様であって、「君」をやめて「議員」と呼ぶ必要はなかろう。
なぜ国会で「君」という敬称を使うようになったのかについては、下記のTBSの記事が詳しい。
吉田松陰先生発案の「君」という敬称は、その由来からして議会制民主政に相応しいといえよう。この伝統を守り続けて欲しいものだ。
「さん」という敬称の由来については、下記の記事が詳しい。
ところで、今では男子は「くん」で、女子は「さん」と呼ぶのが一般的になっているそうだが、私は、小学生の頃は同級生から男女問わず「さん」と呼ばれることが多かったし、また、森田健作主演のテレビドラマ『おれは男だ!』の主人公小林弘二は、「吉川く〜ん!」という風に、女子にも「くん」づけしていた。
いつ頃から男子は「くん」づけ、女子は「さん」づけになったのかは分からない。国語の研究者にご教授いただきたいところだ。
なんにせよ、山下好孝教授によれば、「さん」は戦国時代に定着したそうだから、「くん」よりも歴史のある敬称だし、また、「くん」は神様には用いられないのに対して、「さん」は神様にも用いられるので、男子を「くん」、女子を「さん」と呼んでも女性差別にはならぬだろう。
問題は、トランスジェンダーだ。
私は、体はジジイだが、心は若いつもりなので、「おじいさん」とか「おじさん」とか呼ばれるのが苦痛だとして(実際には全然苦痛ではない。)「おにいさん」と呼べと言ったら、世間からバカと言われることだろう。
ところが、体は男だが、性自認は女の場合に、「くん」と呼ばれたり、逆に、体は女だが、性自認は男の場合に、「さん」と呼ばれたりすることが苦痛だというので、ジェンダー論者は、男女で「くん」と「さん」を呼び分けることをやめるように提唱しているらしい。
記事に戻ると、「議員」という呼称は、敬称ではない。「◯◯社長」、「◯◯課長」と同様に、職名にすぎない。
内輪で敬称を付けずに職名で呼び合うのは構わないが、この流れが続けば、いずれ西洋のように職名が敬称になり、階級社会になるやも知れぬ。
敬称については、以前述べたので、繰り返さない。
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