Yahoo!ニュース11/6(水) 10:32配信の元記事を調べたら、京都新聞2024年9月30日 18:00「条例守ったら宿泊予約サイト非掲載? 京都市が米大手に異議も応じず、順守で「低評価」の施設も」という記事だった。
タイムラグが気になるが、それはともかく、この記事には、
「民泊仲介大手の米エアビーアンドビーが運営する宿泊予約サイトに、京都市が条例で禁止している非対面のチェックインができるかのような文言が掲載されているとして、市が同社に記載内容を改めるよう申し入れしていたことが、このほど分かった。同社は「個別の地域事情に沿った対応は難しい」として応じない方針だが、市にサイト運営者への指導権限はないといい、条例を順守する施設から不満の声も上がる。」
とある。
京都市旅館業法の施行及び旅館業の適正な運営を確保するための措置に関する条例( 平成24年3月30日条例第62号)第18条第4項は、「営業者は、施設の内部又は施設外玄関帳場において、面接の方法(玄関帳場代替設備を設置している場合にあっては、面接と同等の方法として市長が認める方法)により、宿泊者の本人確認及び人数確認並びに適切な鍵の受渡し(客室の出入口が鍵を掛けることができるものである場合に限る。)をしなければならない。」として、フロントでの対面のチェックインを義務付けている。
京都市内の営業者がこの義務に違反した場合には、営業許可の取消や罰則という制裁を科すべきだ。
ところが、違反者に対して、勧告及び命令(同条例第20条)、報告徴収及び立入検査(同条例第21条)、同条例20条第2項の規定による命令違反の公表(同条第23条)を定めるのみで、罰則規定も許可の取消規定も定められていない。
民泊仲介大手の米エアビーアンドビーが運営する宿泊予約サイトが悪いわけではなく、罰則規定や許可取消規定を定めていない同条例の制度設計が悪いのだ。
京都市内全域がフロントでの対面チェックインが必要で、これに違反すれば、制裁を加えられるということになれば、宿泊予約サイト側もやむを得ずこれに対応するはずだ。
おそらく京都市は、同条例第18条第4項の実効性を確保するために、罰則規定や許可取消規定を設けるべく旅館業法の所管省庁である厚労省と折衝を重ねたと思われる。
勝手な想像だが、厚労省がこれに難色を示したのではなかろうか。そうであるとすれば、京都市を一方的に責めるのは気が引ける。
とはいえ、同条例第18条第4項を遵守している正直者が馬鹿を見る結果を生んでいることも事実であって、条例を真面目に遵守している営業者から不満の声が上がるのも当然だ。
フェアな自由競争を確保するためには、公正なルールを作って、これを平等に適用し、違反者にレッドカードを突きつけて、競争から退場させる必要がある。
とすれば、同条例第18条第4項を削除するか、又は、国(厚労省)との争議を覚悟の上で、同条例第18条第4項違反に対する罰則規定や許可取消規定を設けるべきだろう。
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