今日は、大阪でも雪が降るかもしれないので、雪にまつわるお話をひとつ。
泥はねや水はねを「しっぱね」と呼ぶらしい。泥や水が尻にはねることに由来するそうだ。
秋田、福島、茨城、北海道などで用いられている方言らしく、さらになまって「すっぱね」と呼ぶところもあるそうだ。
では、「しっぱね」に関する法令や例規があるのか?
「しっぱね」という言葉は、用いられていないが、「しっぱね」を取り締まる法律は、ある。
すなわち、自動車の運転者が、ぬかるみ又は水たまりを自動車で通行するときには、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすることが義務付けられており(道路交通法第71条第1号)、これに違反すると、5万円以下の罰金に処せられる(同法第120条第1項第10号)。
新潟県湯沢町は、道路交通法とは別の目的で、氷雪水の「しっぱね」被害根絶に特化した条例を制定している。
湯沢町シッパネ被害根絶に関する条例第2条第1号は、「シッパネ」を「冬期間の道路等において、道路上の氷雪を含む冷水だまりを車輪が通過することにより、飛散する氷雪水をいう」と定義している。
「シッパネ」の定義規定が置かれているのは、方言だからであり、また、「冬季」とせずに、「冬期間」としたのは、春先にも氷雪を含む冷水だまりが残っていることがあるからだろう。
真冬に「シッパネ」を頭から浴びせられたら、と想像しただけで身震いする。湯沢町では、条例を制定せざるを得ないほど深刻な問題なのだろう。
cf.1道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
(運転者の遵守事項)
第七十一条 車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
一 ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。
<以下、省略:久保>
第百二十条 次の各号のいずれかに該当する者は、五万円以下の罰金に処する。
<中略:久保>
十 第七十一条(運転者の遵守事項)第一号、第四号から第五号まで、第五号の三、第五号の四若しくは第六号、第七十一条の二(自動車等の運転者の遵守事項)、第七十三条(妨害の禁止)(第七十五条の二十三(特定自動運行において交通事故があつた場合の措置)第六項において読み替えて準用する場合を含む。)、第七十六条(禁止行為)第四項又は第九十五条(免許証の携帯及び提示義務)第二項(第百七条の三(国際運転免許証等の携帯及び提示義務)後段において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
<以下、省略:久保>
cf.2湯沢町シッパネ被害根絶に関する条例(平成26年12月22日 条例第29号)
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