悪循環

 大阪府の吉村知事(大阪維新の会・日本維新の会)は、高校が義務教育ではないのに、公立私立を問わず、所得制限なしの高校無償化を実施した。

 教育の無償化は、マルクス/エンゲルスの『共産党宣言』が提唱している社会主義政策であり、かつ、選挙目当てのばら撒き行政だ。


 その結果、受験生は、大学受験指導や設備等が充実している私立高校へと流れ、府立高校の約半数が定員割れを起こした。

 しかも、定員割れの府立高校は、入試の点数が合格点に達していなくても合格とする措置をとっている。

 そのため、府立高校の生徒の質が低下し、それに合わせて教育せざるを得ないので、教育の質も低下する。

 ますます府立高校は、敬遠されるようになる。


 「地方公共団体は、…最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」のだが(地方自治法第2条第14項)、これが果たして最少の経費で最大の効果を挙げているといえるのだろうか。


 馬鹿の極みだ。この悪循環を断ち切るためには、高校無償化をやめればよいのに、吉村知事は、己のミスを認めることができず、さらに悪手を打つそうだ。

 すなわち、府立高校生1人当たり10万円を補助して、約10日間の短期海外留学を支援するというのだ。

 地方交付税を受けていない(つまり、黒字の)東京都とは異なり、大阪府は、384,878,00万円(令和6年度)の地方交付税を受けている赤字自治体なのに、さらにばら撒き行政をするわけだ。

 大阪関西万博が赤字になった場合を想定せずに見切り発車させる(大阪府がいくら赤字を負担するのかを決めていないのだ。リスク管理が全くできておらず、ものすごく危なっかしい経営をしている。)など、吉村知事及びこれを支える維新の会の無能さには呆れる。

 確かに、大阪関西万博は、経済波及効果が大きいだろうが(政治献金としてどれだけキックバックされるのかを調査してほしいものだ。)、万博自体の赤字を府民が負わされたのではかなわない。

 吉村知事は、大阪都構想を再検討しているそうだ。何度税金を無駄遣いしたら気が済むのか。


 先の衆院選で大阪府内の選挙区は、すべて維新の会が独占したことからも明らかなように、有権者が一番悪い。

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