「無意識の思い込み」? <追記>

 また勝手にブログが削除されていた。。。再アップする。


 下記の記事によると、小池百合子都知事が提出した「東京都女性活躍推進条例案が、15日の都議会経済・港湾委員会で都民ファーストの会、自民党などの賛成多数で可決した。17日の本会議で採決される」。  


 参政党を支持できないが、この条例案に対する参政党の懸念・批判は、傾聴に値する。  

 「神谷宗幣代表はX(旧ツイッター)で「無意識の思い込みってなんだ? 男は男らしく、女は女らしくって思ってはいけないということ? そう思わないように努力しろということですか。それは思想の統制ではないですか? 左派のみなさん、出番です」と、普段は人権を強調する人たちに問いかけた。」

 東京都議会参政党は、「憲法が保障する思想・良心の自由や表現の自由との関係で、重大な緊張関係を生じさせる」として、再審議を求める要望書を小池知事に提出し、他の会派にも理解を求めたそうだ。  

 要望書では「『ある言動が無意識の思い込みに基づくものか、意識的なものか』、また『その解消とは何を意味するのか』といった定義の曖昧さは、個人間の分断を助長し、行政による個人の内心や思想への介入を容易に正当化するリスクを内包している」と指摘。「内容や運用が社会全体に及ぼす影響について、十分な検証や説明が尽くされないまま制定されるべきものではない」と批判している。

 憲法違反のリスクを冒してでも、このような条例を制定しようとする政治勢力があることに恐ろしさを感じる。  

 参政党の都議会議員がいなければ、世間に知られることなく、条例が成立していただろう。  


 ナチスドイツは、1933年、優生思想に基づいて、「遺伝病子孫予防法」(いわゆる断種法)を制定して、遺伝性の障害者に対して強制不妊手術を行なった。  


 当該条例は、男と女が全く異なる生物なのに、ジェンダー論に基づいて、思想統制によって、男と女という性別を精神レベルで破壊しようとする精神的断種法であって、自然の摂理に反し、人間の尊厳を著しく損なう悪法だ。  子々孫々のため、この悪法を制定させてはならない。


cf.第二百六十八号議案 東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例(下線:久保) 

(基本理念) 

第三条  性 が 活 躍 で き る 環 境 の 整 備 は 、 職 業 生 活 を 中 心 と し た 女 性 の 選 択 肢 の 拡 大 に つ な が る の み な ら ず 、 事 業 活 動 に お け る 、 新 た な 価 値 の 創 造 及 び 特 定 の 性 別 に 偏 る こ と に よ り 生 じ 得 る 支 障 の 回 避 に 寄 与 す る も の で あ る と の 認 識 の 下 、 事 業 者 が 主 体 的 に 取 り 組 む こ と に よ り 、 そ の 推 進 が 図 ら れ な け れ ば な ら な い 。 

2 女 性 が 活 躍 で き る 環 境 の 整 備 の 推 進 に 当 た っ て は 、 性 別 に よ る 無 意 識 の 思 い 込 み が 、 女 性 が そ の 個 性 や 能 力 を 発 揮 す る 機 会 を 阻 む お そ れ が あ る と の 認 識 の 下 、 社 会 全 体 で そ の 解 消 が 図 ら れ な け れ ば な ら な い 。 

3 就 業 者 の 家 庭 生 活 と 職 業 生 活 と の 両 立 に 関 し て は 、 本 人 の 意 思 が 尊 重 さ れ る べ き で あ る こ と に 留 意 さ れ な け れ ば な ら な い 。 

(都 民 の 責 務 )

 第 七 条  都 民 は 、 基 本 理 念 に の っ と り 、 性 別 に よ る 無 意 識 の 思 い 込 み に つ い て の 関 心 と 理 解 と を 深 め る こ と に よ り 、 雇 用 ・ 就 業 分 野 に お け る 女 性 の 活 躍 を 推 進 す る と と も に 、 性 別 に よ る 無 意 識 の 思 い 込 み の 解 消 に 向 け て 都 が 実 施 す る 施 策 に 協 力 す る よ う 努 め な け れ ば な ら な い

<追記>  

 下記の記事によれば、「「性別による無意識の思い込みの解消」を掲げる東京都女性活躍推進条例が、17日の都議会本会議で都民ファーストの会、自民党、立憲民主党会派、公明党、共産党、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。来年7月1日に施行される。」  

 なんたる愚行か。。。

 職業選択の自由が保障されているのだから、女性が、これまで男の仕事だと思われていた職業(ex.自衛官、警察官、消防士、寿司職人など)に就くことは、自由だ。

 女性の社会進出の過渡期だから、摩擦があるやも知れぬが、女性が活躍することには賛成だ。多くの人も同意見だろう。


 しかし、「性別による無意識の思い込みの解消」ということは、性別による無意識の思い込みが間違っているということを当然の前提にしている。  

 人の内心に土足で踏み込んで間違っていると決めつける権能は、国にも地方公共団体にもない。この条例は、憲法が保障する思想・良心の自由及び表現の自由並びに幸福追求権を侵害する可能性がある。


 思想統制によって、幼き頃より男らしさや女らしさが間違いであると教えられた結果、生物学的には男女だが、精神的には男でもなければ女でもない者同士の間で、健全な恋愛感情が芽生え、婚姻し、子供を産み育てられるのだろうか。父性・母性は、男らしさと女らしさを基盤とするからだ。

 少子化に拍車をかけるおそれがないか。


 この条例を先進事例として、日本中で同様の条例が制定されるだろう。日本人が男らしさや女らしさを喪失して、最も得をするのは誰かを考えろ。


 男らしさや女らしさは間違いだと教えられた子供達は、葛藤するだろうが、いくら思想統制しようとも、人間の本性を変えることはできない。「性別による無意識の思い込みの解消」は、計り知れないほどの弊害を生んで、失敗に終わるだろう。






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