2019.12.13 09:38「法」と「のり」元生徒 せんせい、ご機嫌よう♪ またおしゃべりに参りました!笑老先生 自治法子ちゃんか、こんにちは。ちょうどよいところに来てくれた!暇を持て余していたところなんじゃ。元生徒 私は暇つぶしですの?笑老先生 いやいや、そういうわけではないがの。苦笑元生徒 まあ、よろしくってよ♪笑 実は、仲の良い3歳年上の従姉妹が2月に出産予定ですの。なので、どんな名前が良いかしら?と考えていたら、自然とこちらへ足が向きましたの♪笑老先生 ほー。名付けがマイブームというわけじゃな。 他人様(ひとさま)の名付けについて、とやかく言うつもりはないんじゃが、いわゆるキラキラネームだけはやめた方が無難じゃろ。キラキラネームは、子供の責任ではないのじゃが、厄介な親がおまけに付いてくる...
2019.12.05 14:45例規の中のクリスマス 仕事帰りに、今日は給料日だからと、ちょっと寄り道して生ビールをゴクゴクぷはぁーッ♪な〜んてやっている「毎月25日は給料日弁慶」のお父さんたちも、12月25日だけは寄り道せずに真っ直ぐ帰宅なさっていることだろう。 12月25日は、イエス・キリストの誕生を祝う日だが、実はこの日は、イエス・キリストの誕生日ではない。新約聖書には、イエス・キリストの誕生日が明記されておらず、誕生日が不明だからだ。言い換えれば、初期キリスト教がというよりも、当時の人々が、誕生日を重要視していなかった証左だ。 古代ローマ時代の宗教の一つであるミトラ教では、12月25日に太陽神ミトラを祝う冬至の祭りが行われていたそうで、キリスト教が国教化される過程でこの祭りを取り込んでクリスマス...
2019.11.17 01:00住民の「福祉」 地方公共団体の職員研修に出講して大変驚いたことがある。受講しておられる職員さんの多くが意外なことに「福祉」の意味をご存知ないのだ。これは困る〜〜! なぜならば、地方自治法第1条の2第1項は、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとする。」と定め、地方公共団体の役割が「住民の福祉の増進を図ること」にあると明記しているからだ。 そこで、最近では、「『住民の福祉』にいう『福祉』とは何ですか?」と質問を投げかけるようにしている。 「福祉」とは何かと訊くと、生活保護、子育て・高齢者・障害者支援など、いわゆる社会的・経済的弱者の支援を連想しがちのようだが、このような公的支援という意...
2019.11.03 22:51府市合わせ 大阪府立中之島図書館は、明治37年(1904年)に、第15代住友吉左衛門氏の寄付によって完成した。現役の公共図書館の中で国内最古で、国の重要文化財に指定されている。 この中之島図書館は、ネオ・バロック様式の大変立派な図書館なのであるが、府市対立の象徴の一つでもある。 すなわち、中之島図書館の敷地は、大阪市所有の土地で、大阪府が無償で借りていると考えられていたが、平成20年(2008年)に、法務局がこの土地が大阪府所有であるとする明治時代の登記簿を発見したことから、橋下徹大阪府知事が訴訟に持ち込もうとしたところ、大阪府と大阪市が土地を交換して、大阪市に所有権が移転したとする明治時代の契約書が見つかったことで、大阪市の所有地ということで一件落着したことが...
2019.10.28 13:15国の法令改正に必然的に伴う条例改正と指定専決 国の法令が一部改正されることに伴って必然的に条例を改正しなければならないことがよくある。特に、地方税、国民健康保険等の分野では、頻繁に国の法令が改正される。場合によっては、国の法令の一部改正法の施行日に合わせるために、地方議会の臨時会を招集しなければならないことさえある。 しかし、国の法令改正に合わせて条例の字句等を変更するだけであるから、条例の一部改正案をめぐって地方議会で激しい議論が戦わされるわけではなく、あっさりと可決されるのが通常である。 このような手間と時間と経費をかけることは、無駄であるとまでは言わないが、「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」(地方自治法第2条第14項)という地方自治法の趣旨からすれば、必ずしも望まし...
2019.10.23 14:10御料車のシートベルトhttps://www.youtube.com/watch?v=jdy69cLyKII 去る令和元年10月22日(火)、即位の礼正殿の儀が厳かに挙行された。国民として誠に喜ばしい。 臣籍降下以来、皇室を守護奉らんとの想いを代々継承してきたが、御即位宣明の勅語を拝聴して、皇室に対する尊崇の念を新たにするとともに、大御心に添えるよう努力を続けなければならないと強く思った次第である。 テレビを拝見していて、心配になったことがある。天皇皇后両陛下が御料車に御乗車遊ばされている映像(上記スクショ)を拝見する限りでは、シートベルトをなさっておられないようにお見受けしたのであるが、万が一にも交通事故やテロがあった場合に、お怪我をなされるのではないかと大変心配になって...
2019.10.22 22:10手紙の句読点 学生時代に恩師から和紙に毛筆で書かれた候文のお手紙をいただいたことがある。正漢字(旧漢字)・歴史的仮名遣いの草書体で、達筆すぎて読めなかったので、代わりに亡父に読んでもらった。 その後、亡父からこれを読んで勉強するようにと渡された本が、麻生路郎著『現代模範 美的候文』(藤谷崇文舘 大正11年3月1日発行)である。この本は、亡父が戦地に出征する先輩から形見分けとして頂いたものだそうだ。裏表紙には、連隊名及び中隊名並びに先輩のお名前が毛筆で書かれている。麻生路郎氏は、「俺に似よ俺に似るなと子をおもひ」という句で有名な川柳六大家の一人だ。 私が恩師の手紙を読めなかったのは、候文が読めないからではなく、先生の草書体が読めなかったからなのだが。苦笑 しかし、こ...
2019.10.18 13:00湯桶読みと重箱読み1 漢字の読み方 以前にも話したが、平安時代以降、日常生活に定着している漢字やお経などの仏教関連の漢字は呉音で、それ以外は漢音で読むしきたりになった。https://minamoto-kubosensei.amebaownd.com/posts/6270310?categoryIds=2024148 他方で、長い年月を経るうちに、熟語の中には、音読みと訓読みがゴチャゴチャに混在して定着してしまったものが多数ある。これには、①湯桶(ゆトウ)読みと②重箱読みの2種類がある。2 湯桶読み 湯桶読みとは、「湯桶」を「ゆおけ」ではなく「ゆトウ」と言うように、漢字2文字以上でできた熟語で、上の漢字を訓読みし、下の漢字を音読みすることをいう。ex.1湯桶読みが定着し...
2019.10.09 12:25裁判制度5老先生 ローマ帝国時代に話を戻すとじゃな、先ほど、ローマ法をお手本にして、教義と矛盾しないように必要な修正を加えて教会法が形成されたという話をしたが、どのように修正したかを理解するためには、キリスト教会がどのような考えに基づいてどのように行動したかを知る必要があるので、しばらくの間、裁判制度から離れて、この点についておしゃべりするとしよう。1 教会の行動原理 キリスト教の神は、すべてのヒエラルキーの頂点に立ち、恐れに基づいて、ただひとり君臨する唯一絶対の男性神と信じられておった。聖書は、神を怖れよと繰り返し説いておる。例えば、「神を恐れ、その戒めを守れ。これこそ人間のすべて」(伝道の書/コヘレトの言葉・十二・十三)、「誰を恐れるべきか教えよう。それ...
2019.10.06 23:38裁判制度4老先生 ところで、西洋から日本へ移入された民事訴訟では、まず、弁論準備手続や争点整理手続が行われ、次に、弁論・事実認定が行われ、裁判官の自由心証により判決が下されるという二段階の仕組みが採られておるが、このように裁判を効率よく行うための二段階の仕組みは、いつ頃生まれたと思うかの? 生徒 近代になってからでしょうか? 老先生 そう思うじゃろ。笑 実は、2000年ほど前のローマ法で確立されていたんじゃよ♪ 裁判官だけでなく、弁護士という職業もすでにあったんじゃ。 生徒 え〜ッ?! 老先生 そちが「西洋では昔から今のような裁判所があったんですか?」と質問した時に、「西洋」にいつのどの地域まで含めるかにもよるが、少なくともゲルマン社会には、もともと...
2019.10.03 14:21裁判制度3生徒 先日、おっしゃっていた裁判所へのキリスト教の影響について伺いたくて、参りました。老先生 う〜ん。。。わしは信者ではないので、はっきり言ってキリスト教のことがよく分からんのじゃよ。。。トホホ 例えば、モーセがホレブの山(シナイ山)で羊を放牧していた時、神の声を聴いて「神の名」をたずねると、「わたしはあるものである」と答えたんじゃが(旧約聖書の出エジプト記三・一四)、この「あるもの」というヘブライ語が固有名詞「ヤーウェ」(YHWHという4つの子音で書く。5世紀までヘブライ語には母音がなかったからじゃ。わしには発音できん!苦笑)で、当時のユダヤ人は「ヤーウェ」の名を唱えるのが畏れ多いからと、アドナイ(主)と呼んでおったそうじゃ。ところが、旧約聖書の創世...
2019.09.23 01:00裁判制度2老先生 さて、古代ローマ時代にガリアと呼ばれた地域(現在のフランス)に先住していたケルト人は、ガリア人と呼ばれ、勇猛果敢で知られていた。実際、ユリウス・カエサル(英名:ジュリアス・シーザー)も、その著『ガリア戦記』で苦戦を強いられたことを正直に述べた上で、自ら陣頭指揮したローマ軍の勝利を誇っておる(カエサル著・國原吉之助訳『カリア戦記』(講談社学術文庫))。 タキトゥスによれば、ゲルマン民族の中で、ライン河を渡ってこのガリア人に初めて勝利した部族の名がゲルマニアであったことから、全部族が自分たちのことをゲルマニア人と呼ぶようになり、ローマ人もゲルマニア人が住む地域(現在のドイツ)をゲルマニアと呼ぶようになったそうじゃ。 このゲルマン人は、目が青く、金髪...