テレビ時代劇『水戸黄門』を見ていたら、光圀公が書面に「梅里」(ばいり)と署名していた。梅里は、雅号だ。
歌人、俳人、画家、書家の「雅号」、小説家、漫画家の「ペンネーム」・「筆名」、芸者、歌手、俳優の「芸名」、相撲取りの「四股名」など、本名以外の名前で世間で通用するものを「通称」若しくは「通称名」又は「通名」という。
最近では、ストーカーやカスタマーハラスメント防止のため、本名とは異なる「ビジネスネーム」を用いる人やこの使用を認める会社が増えつつあるらしい。
「偽名」とは、本名を隠すための名前を意味する。「ビジネスネーム」は、世間に通用するようになれば、「通称」・「通称名」・「通名」になるが、それまでは「偽名」であって、個人の信用を重んじる仕事では望ましくないと考える。
今の若い人は、スマホゲームなどで適当に作った「アカウント名」を用いているので、抵抗感が少ないのかもしれないが、ジジイからすると、全社員が「ビジネスネーム」を用いている会社なんて、詐欺でもやっているのか?、正々堂々本名を名乗れ!、と思ってしまうので、信用できない。
いずれにせよ、日本人がそれぞれの私的分野で「通称」・「通称名」・「通名」を用いていても、納税や社会保険などの公的分野では「本名」を用いているし、用いなければならない。
ところが、在日外国人に限っては、「通称」を公的分野で用いることができるのだ。日本人にはない特権だ。
この点については、以前述べたので、繰り返さない。
先ほど、日本人が公的分野では本名を名乗らなければならないと述べたが、例外がある。公職選挙の立候補者名だ。
公職選挙法施行令では、選挙における立候補の届出に係る文書に記載する候補者となるべき者の氏名は、当該候補者となるべき者の戸籍簿に記載された氏名、すなわち本名でなければならないこととされている(公職選挙法施行令第88条第7項)。
しかし、本名以外の呼称で本名に代わるものとして広く通用しているもの、すなわち通称がある候補者については、立候補の届出に併せて通称認定申請書を提出し、選挙長の認定を受けることにより、選挙において通称を使用することができる(公職選挙法施行令第88条第8項)。
この政令のせいで、芸能人が芸名で立候補するわけだ。良識ある有権者は、客寄せパンダである芸能人の立候補に辟易(へきえき)している。これを公認・推薦・支援する政党と投票する有権者が悪いのだが。
在日外国人の「通称」も、公職選挙の立候補者の「通称」も、これを政令で是認している歴代内閣にすべて責任がある。
いつまで馬鹿げたことを続けるのか!
cf.公職選挙法施行令(昭和二十五年政令第八十九号)
(衆議院小選挙区選出議員の選挙における立候補の届出書又は推薦届出書に記載すべき事項等)
第八十八条 ・・・
7 法第八十六条第一項から第三項まで、第五項又は第七項の文書に記載する候補者となるべき者の氏名は、当該候補者となるべき者の戸籍簿に記載された氏名(以下「本名」という。)によらなければならない。
8 候補者届出政党は、法第八十六条第十三項の告示、法第百四十九条第一項の新聞広告、法第百五十条第一項の政見放送、法第百五十一条第一項の経歴放送、法第百六十七条第一項の選挙公報並びに法第百七十五条第一項及び第二項の掲示に当該候補者届出政党の届出に係る候補者の氏名が記載され、又は使用される場合において、本名に代えて本名以外の呼称で本名に代わるものとして広く通用しているもの(以下「通称」という。)が記載され、又は使用されることを求めようとするときは、当該候補者の承諾を得て、当該通称について選挙長の認定を受けなければならない。 この場合においては、法第八十六条第一項の文書に添えて通称認定申請書を提出するとともに、選挙長に当該呼称が本名に代わるものとして広く通用しているものであることを説明し、かつ、そのことを証するに足りる資料を提示しなければならない。
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