国会決議は、衆議院又は参議院が国政上の事柄について外部に向けて行った決議であって、衆議院の内閣不信任決議(憲法第69条)以外の決議は、単なる意思表明にすぎず、法的効果はない。
これまで国会は、「核兵器を持たず、作らず、持ち込まさずの非核三原則」を何度も決議しているが、法的拘束力はない。
下記の記事によると、「高市早苗首相は昨年9月に出版した編著『国力研究』(産経新聞出版)で、国是である「非核三原則」は「邪魔」だとして、安保3文書からの削除を要請していたことを自ら明らかにしてい」たそうだ。
核兵器に核抑止力があることは、ウクライナが核ミサイルを廃棄した途端にロシアが侵略戦争を始めたことや核ミサイルを保有することによってやりたい放題の北朝鮮を見れば明らかだ。
国家の最低限度の仕事は、国民の生命・自由を守ることだ。日本は、唯一の被爆国だからこそ、二度と核攻撃を受けないように核兵器を保有することが必要であり、核兵器の保有の正当性を有する唯一の国だと言える。
国会が本気で「非核三原則」を国是とするならば、何故、これを法律化しないのか。本気ではなく、単なる政治的パフォーマンスにすぎないからだ。
なんら法的拘束力がない国会決議に縛られて、国民の生命・自由を危険に晒すことは、決してあってはならない。
米国海軍の空母や原潜が核兵器を搭載していることは、周知の事実だ。政府・国会が非核三原則を堅持しているからといって、これらの艦船が日本に寄港する際に、核兵器を太平洋に投棄しているはずがない。
つまり、非核三原則のうち、少なくとも「持ちこまさず」は、有名無実になっているわけだ。
2024年、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受賞した。このノーベル平和賞は、他のノーベル賞とは異なり、スウェーデンではなく、ノルウェー・ノーベル委員会が授与する。
ノルウェーと言えば、左翼である労働党を中心とした左派勢力が国会(一院制)の過半数を占める左翼国家だ。
ノルウェー・ノーベル委員会が左傾化していたとしても、なんら不思議ではない。
中国の海洋進出により東アジアの軍事情勢が緊迫化している現状を踏まえ、中国に利するため、日本の核兵器保有を阻止すべく、ノーベル平和賞を授与したとしても、私は驚きはしない。
非現実的で国際情勢にマッチしない「非核三原則」を撤廃してこそ日本のプレゼンスが高まり、抑止力になるのだ。
<追記>
駐日中国大使館は、11月24日、Xに次のように投稿した。
「IAEA中国代表:日本は「平和国家」を自称し、核兵器のない世界の構築を掲げている。しかし、日本政府は「非核三原則」について曖昧で不明確な態度を示し、場合によっては放棄する可能性さえほのめかしている。もし日本が再び軍国主義の道を歩み、平和発展の公約を捨て、戦後の国際秩序を破壊しようとするなら、国際社会は決して容認しない。周知の通り、日本は長年にわたり民生用原子力の実際の需要をはるかに超えるプルトニウムを製造・備蓄しており、『核拡散防止条約』の加盟国の中で、武器級プルトニウムを抽出する能力を有し、なおも稼働可能な再処理施設を保有する唯一の非核兵器国となっている。このような日本に対しては、厳しく管理すべきだ。我々は日本側に対し、「非核三原則」及び国際的な核不拡散の義務を遵守し、国際社会にはっきりとした明確な説明を行うよう強く促す。」
「非核三原則」を支持するならば、中国が「非核三原則」を採るべきだろう。核兵器を作り続け、日本に照準を合わせている中国に言われる筋合いはない。
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